Britfunk(ブリットファンク)とは
1970年代末から80年代前半のイギリスで、アメリカのファンクとジャズファンクを英国流に自分たちのものにした音楽。編成は生演奏のバンドで、リズムセクションはスラップとゴーストノートを織り交ぜたエレキベース、16分音符を細かく刻むカ
1970年代末から80年代前半のイギリスで、アメリカのファンクとジャズファンクを英国流に自分たちのものにした音楽。編成は生演奏のバンドで、リズムセクションはスラップとゴーストノートを織り交ぜたエレキベース、16分音符を細かく刻むカッティングギター、ぎゅっと引き締まったドラム、そこにコンガやカウベルが加わる。ホーンセクションは分厚く重ねず、2本か3本で軽やかに合いの手を入れる。鍵盤はフェンダー・ローズとクラビネット、そして当時普及し始めたポリフォニックシンセによる持続音が重なる。テンポは毎分105から120拍程度で、四つ打ちのディスコより跳ねた、前に転がるようなリズムを作る。和音はジャズ由来で、テンションを含む和音を短い間隔で移り変わらせる。歌い方はアメリカのファンクほど叫ぶ感じではなく、控えめで洗練された発声が好まれ、男女混成のコーラスが重なる。曲の展開は歌ものとインストの中間で、長い間奏に鍵盤とホーンのソロが入る。歌詞は恋愛と踊りが中心だが、失業や都市生活への言及も混ざる。演奏の場はロンドンや地方都市の小さなクラブと、日曜や祝日に開かれる終日のオールデイヤーと呼ばれる催し(1980年のKnebworthには1万2千人が集まった)で、本場アメリカの音を輸入盤で追いかけていた層が、自分たちで演奏し始めたところに肝心なところがある。
成り立ち
背景には1970年代のイギリス独自のクラブ文化があった。イングランド北部ではノーザン・ソウルという、無名のアメリカ産ソウル盤を集めて踊る運動が根づき、ロンドンではジャズファンクやディスコの輸入盤を専門にかけるDJが現れていた。とりわけRobbie VincentのBBCラジオ・ロンドンの番組と、Chris Hillが仕切ったエセックス周辺のクラブが、この音の受け入れる場を作った。1970年代末、こうした場に通っていた若者たちが自分たちで演奏を始める。中心となったのはロンドンのHi-Tension、Light of the World、Freeez、Incognito、Beggar and Co、Central Line、Linx、そしてワイト島出身でロンドンを拠点に活動したLevel 42らである。Light of the Worldは1978年にロンドンで結成され(デビューは1979年)、そこからBeggar and CoとIncognitoが枝分かれした。商業的成功は1978年のHi-Tension(「Hi Tension」が英13位、「British Hustle」が英8位)に始まり、1980年にLinxの『You're Lying』(英15位)、1981年にFreeezの『Southern Freeez』(英8位)が続いた。当時のイギリスは深刻な不況と失業のさなかにあり、人種暴動が各地で起きていた。担い手の多くはカリブ海からの移民二世で、白人の若者と混成のバンドを組んだこと自体が、当時としてははっきりした社会的な意味を持っていた。しかしこの流れは長く続かなかった。1980年代前半には、Central Lineが1984年に解散し、Freeezが1983年にArthur Baker制作の「I.O.U.」でエレクトロ寄りに転じるなど、多くのバンドが解散するか路線を変えた。Level 42はポップス寄りに転じて国際的な成功を収め、Incognitoは1990年代のアシッド・ジャズの中心として復活した。この音の遺産は、一説では、1980年代後半のレア・グルーヴの再評価や、1990年代のUKガラージなどに受け継がれたとの指摘がある。
代表曲
- Lessons in Love (Level 42)
- Something About You (Level 42)
- Walking Into Sunshine(Central Line)
- Love Games(Level 42)
- Running in the Family (Level 42)
- London Town(Light of the World)
- Southern Freeez (Freeez)
- Guaranteed (Level 42)
- Intuition(Linx)
- British Hustle (Hi-Tension)
- The Sun Goes Down (Living It Up) (Level 42)
- Somebody Help Me Out(Beggar & Co)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Funk、 Disco
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