Choral(コーラル)とは
複数の歌い手が声部を分けて歌う音楽の総称。標準的な編成は高い順にソプラノ、アルト、テノール、バスの4声で、各声部を数人から数十人が受け持つ。人数が多いことで個人の声の癖が平均化され、一つの楽器のような均質な響きが生まれるのが合唱の
複数の歌い手が声部を分けて歌う音楽の総称。標準的な編成は高い順にソプラノ、アルト、テノール、バスの4声で、各声部を数人から数十人が受け持つ。人数が多いことで個人の声の癖が平均化され、一つの楽器のような均質な響きが生まれるのが合唱の本質である。書法には大きく二種があり、全声部が同じリズムで和音を重ねるホモフォニーと、各声部が独立した旋律を模倣しながら絡み合うポリフォニーで、多くの作品はこの二つを場面ごとに使い分ける。和声は縦の響きの純度が重視され、平均律の鍵盤と違って、歌い手は倍音が濁らないよう純正な音程に近づけて歌う傾向がある。この調整によって、和音が正しく合った瞬間に、実際には歌われていない差音が聞こえることがある。伴奏はオルガンや管弦楽が付く場合と、無伴奏の場合がある。歌詞はラテン語の典礼文、聖書、詩、民謡の言葉など多岐にわたり、母音の統一と子音の同時発音が訓練の中心になる。指揮者が呼吸の位置から母音の形まで指示し、集団が一つの意思で動くことが求められる。演奏の場は教会、演奏会場、学校、地域の集会所で、聴くためだけでなく参加するための音楽である点が大きな特徴である。
成り立ち
合唱そのものの起源は、古代や民俗の集団で歌う伝統にさかのぼる。西洋の多声合唱の発展は、中世の教会における単旋律の聖歌を土台にした。9世紀頃から、この旋律に別の声部を平行に添えるオルガヌムが現れ、12世紀のパリのノートルダム大聖堂ではLéoninとPérotinが複数の声部を独立して動かす書法を発展させた。ルネサンス期には多声合唱が頂点に達し、Josquin des PrezやGiovanni Pierluigi da Palestrina、Thomas Tallisが声楽を中心とした多声音楽の傑作を残した(多くは無伴奏で演奏されるが、楽器が声部を重ねる場合もあった)。宗教改革はこの分野を大きく変える。Martin Lutherは会衆が母語で歌えるコラールを重視し、専門家だけでなく信徒全員が歌う伝統を作った。この流れの延長にJohann Sebastian Bachのカンタータと受難曲がある。バロックから古典派にかけては、George Frideric Handelの『メサイア』(1741年作曲)が転機となった。この作品は、1742年4月13日にダブリンで慈善演奏会として初演され(約700人が来場し、約400ポンドが集まった)、1750年からはロンドンのFoundling Hospitalで毎年の慈善公演が始まった。19世紀には、ドイツでは市民層、イギリスでは教区や労働組合を基盤に、合唱協会が広がった。同時期、ロシアではPyotr Tchaikovskyやセルゲイ・ラフマニノフが正教会の無伴奏合唱に傑作を残している。20世紀に入ると、Benjamin BrittenやFrancis Poulenc、後にArvo PärtやEric Whitacreが新しい響きを開いた。日本では明治期の唱歌教育で西洋音楽が導入され、昭和初期の1932年に学校の合唱コンクールが始まり、独自の制度として全国に根づいた。現在も合唱は広く親しまれており、米国では約5,400万人(2019年)が合唱に参加している。
代表曲
- Miserere (Tenebrae)
- Ave Maria (Franz Schubert)
- マタイ受難曲 (Netherlands Bach Society)
- レクイエム (Mozart)
- 第九交響曲 (Beethoven)
- Spem in alium (The Tallis Scholars)
- Hallelujah Chorus (Handel)
- The Armed Man (Karl Jenkins)
- Ubi caritas (VOCES8)
- Locus iste (Tenebrae)
- Lux Aurumque (Eric Whitacre Singers)
- Ave Maria (Chanticleer)
- Dies irae (London Symphony Orchestra and Chorus)
- Ave Verum Corpus (Mozart)
- Sicut cervus (Westminster Cathedral Choir)
- Agnus Dei (The Cambridge Singers)
- Cantique de Jean Racine (Choir of King's College, Cambridge)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Classical、 Barbershop、 Gregorian chant、 A cappella、 Christmas music
影響を与えたジャンル
Barbershop、 A cappella、 Christmas music
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