Dangdut(ダンドゥット)とは
インドネシアで圧倒的な国民的人気を誇るポピュラー音楽。インドのボリウッド映画音楽の情熱的なメロディー、スマトラ発祥のマレー系音楽(オルケス・ムラユ)、そしてアラブ由来の旋律感覚が融合してできた独特のサウンドを持つ。タブラに似た太鼓
インドネシアで圧倒的な国民的人気を誇るポピュラー音楽。インドのボリウッド映画音楽の情熱的なメロディー、スマトラ発祥のマレー系音楽(オルケス・ムラユ)、そしてアラブ由来の旋律感覚が融合してできた独特のサウンドを持つ。タブラに似た太鼓が刻む「ダン」と「ドゥット」という2つの音が、そのままジャンル名の由来になったとされる。うねるように装飾の多いメロディー、情感豊かに歌い上げるボーカル、そして腰を大きく揺らして踊る官能的なダンス(ゴヤン)が一体となって楽曲を作り上げる。テンポは、ゆったりした古典的形式から速いコプロまで幅がある。屋台の並ぶ夜市や地方の祭りの喧騒とともにある、2億7千万人を超える人口を抱える国の生活に深く根ざした音楽である。「ダンドゥット」という名称の由来には諸説あり、擬音語が由来とされ、Rhoma Iramaは富裕層による貧しい人々の音楽への蔑称だったと述べている(音楽誌Aktuilが造語したとの説もある)。伴奏には、インド映画音楽の影響を感じさせるシタール風のシンセ音や、1950〜60年代にインドネシア(メダン、ジャカルタ、スラバヤ)で栄えた、マレー語の歌と主に西洋楽器による合奏「オルケス・ムラユ」の楽器編成の名残も見られる。
成り立ち
ダンドゥットは1960年代末に成立し、1970年代にRhoma Iramaらが隆盛させた。Rhoma Iramaは「ダンドゥットの王」と呼ばれ、型の確立に大きく寄与した中心人物である。彼は自身のバンドSoneta Groupを率い、歌詞に宗教的・政治的なメッセージも込め、庶民からの熱い支持を集めるとともに、後年は国会議員としても活動した。2003年に全国的な知名度を得たInul Daratistaは、過激な腰の動きを見せるダンス「ゴヤン・ンゴボール」で賛否両論を巻き起こしながらも、テレビ出演や、海賊版のVCDを通じた広がりで国民的な大スターとなり、この論争はインドネシア社会における芸能表現の自由をめぐる議論にまで発展した。Via VallenやNella Kharismaは、現代のダンドゥットシーンを代表するスターである。テンポを大幅に上げた「コプロ(Dangdut Koplo)」と呼ばれるスタイルは、東ジャワで1990年代半ば〜2000年代初頭に形成され(ドラムのパターンは西ジャワのジャイポンガンに由来するという研究もある)、2003年のInul Daratistaの成功で全国へ広まった。2010年代半ばには、Via VallenやNella Kharismaらによる「ポップ・コプロ」が普及し、露天のライブイベントを中心に若い世代の間で爆発的な人気を博した。歌手Elvy Sukaesihは、その卓越した歌唱力から「ダンドゥットの女王」と称され、Rhoma Iramaと並ぶ黎明期の重要人物である。Rhoma Irama自身は、自らのバンドSoneta Groupを率いる傍ら数多くの映画にも主演し、音楽と映像の両面でダンドゥットを国民的な娯楽として定着させた。テレビの歌唱番組「D'Academy」は、Indosiarが2014年2月3日に開始したダンドゥットのタレント番組である。
代表曲
- Jaran Goyang (Nella Kharisma)
- Sayang (Via Vallen)
- Goyang Dumang (Cita Citata)
- Sambalado (Ayu Ting Ting)
- Stasiun Balapan (Didi Kempot)
- Goyang Inul (Inul Daratista)
- Alamat Palsu (Ayu Ting Ting)
- Brondong Tua (Siti Badriah)
- Cucak Rowo (Didi Kempot)
- Santai (Rhoma Irama)
- Begadang (Rhoma Irama)
- Kopi Dangdut (Fahmi Shahab)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Bollywood
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