Neoclassical Darkwave(ネオクラシカルダークウェーブ)とは
ダークウェイヴの暗く沈んだ気分に、西洋古典音楽の編成と作法を結びつけた音楽。弦楽四重奏やチェロの重奏、ピアノ、ティンパニ、パイプオルガン、そして混声合唱やソプラノ独唱といった要素が、シンセサイザーやサンプラーによる再現も交えて用い
ダークウェイヴの暗く沈んだ気分に、西洋古典音楽の編成と作法を結びつけた音楽。弦楽四重奏やチェロの重奏、ピアノ、ティンパニ、パイプオルガン、そして混声合唱やソプラノ独唱といった要素が、シンセサイザーやサンプラーによる再現も交えて用いられる。実際の生演奏と、サンプリングされた管弦楽音源が混在するのが常態で、その質感の差自体が幻想的な非現実感を生む。和音はバロックや後期ロマン派の表現を借り、減七の和音や半音階的な進行、教会旋法を用いて荘厳さと不安を同居させる。拍子は4分の3や4分の6といった舞曲的なものも使われ、テンポは遅く、60〜90BPM程度の葬送行進曲のような歩みが典型。曲の構成はロックの歌もの形式より、序奏から徐々に層を重ねて頂点へ到達し崩壊するという交響詩のような作りが好まれる。ヴォーカルはオペラの発声法を用いた女性ソプラノや、グレゴリオ聖歌を模した男性の斉唱、あるいはラテン語や創作言語による朗誦で、歌詞の意味よりも響きが優先される場合も多い。歌詞の主題は死と葬送、中世の伝承、神話、宗教的な陶酔と絶望。ダークウェイヴ一般と比べてダンスのビートを持たず、より聴いて味わうための音楽として作られている点が最大の違いになる。またシンフォニックメタルと似た素材を扱うが、歪んだギターとドラムセットの推進力を持たない点で異なる。
成り立ち
1980年代半ばから1990年代前半にかけて、主にドイツとフランス、そして4AD Recordsの周辺で形をとった。Dead Can Dance(1985年の『Spleen and Ideal』以降)とIn the Nurseryが先駆けとされ、Brendan PerryとLisa Gerrardは1987年の「Within the Realm of a Dying Sun」でギター、ベース、ドラムというロックの編成では足りないと考え、後半ではGerrardの歌声を前面に出した。ここで示された、暗い情緒を古典音楽の器で表現するという方法論が、後続の直接のお手本になった。同じ4ADからはThis Mortal Coilが1984年の「It'll End in Tears」で前半はカヴァーが中心、後半はオリジナル曲で、ギターやシンセサイザー、ヴァイオリンなど多様な楽器による幽玄な編曲を提示し、Cocteau Twinsの意味を持たない歌唱も、言葉より音響を優先する態度として影響を残した。ドイツではHyperium Recordsが1991年にニュルンベルクで設立され、StoaやLove Is Colder Than Deathといったバンドを擁して、この系統を一つの商品の分類として確立した。同レーベルが1993年から出した編集盤シリーズ「Heavenly Voices」は、女性ソプラノを前面に出した作品を集めたもので、「Heavenly Voices」という語は1990年代半ばから後半にジャンル名としても使われた。フランスではElendが1994年の「Leçons de Ténèbres」で、サンプラーやシンセサイザーによる分厚い管弦楽的な響きの中に、John Miltonの「失楽園」に由来する歌詞の曲を4曲含む作品を作り、極端な例として知られる。イタリアのAtaraxiaもこの系統に含まれる。ドイツ語圏ではDas IchやLacrimosaがこの美学をより劇場的に展開し、Lacrimosaは1999年の『Elodia』でロンドン交響楽団など実際の管弦楽団を起用してゴシックメタルとの中間領域を開いた。ライプツィヒで1992年に始まったWave-Gotik-Treffenが発表の場となり、劇場や記念碑の地下聖堂(クリプト)などを会場に使うことで音楽の宗教的な意匠を演出上も裏づけた。1990年代後半にはネオフォークやマーシャル・インダストリアルとの境界が曖昧になり、一部のバンドが軍事的・国家主義的な図像を用いたことで政治的論争が起きた。2000年代に入ると市場は縮小したが、映画やゲームの劇伴音楽などにも、似た語彙を使う例が見られる。
代表曲
- La Prima Vez (Sopor Aeternus)
- Hades »Pluton« (Sopor Aeternus)
- Stoa (Stoa)
- Cantar de Procella (Arcana)
- The Wake of the Angel (Elend)
- Moon of Amber (Elend)
- The Umbersun (Elend)
- Ophelia's Dream (Ophelia's Dream)
- The Poisonous Eye (Elend)
- Vision Is All That Matters (Elend)
- Natura Est Templum (Arcana)
- An Innermost Sanctum (Arcana)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Classical、 Darkwave
影響を与えたジャンル
Darkwave
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