Nu Funk(ニューファンク)とは
1970年代のファンクの手ざわりを、サンプリングと現代の録音技術で作り直した音楽。土台は往年のファンクそのままで、1拍目を強く踏むワン・オン・ザ・ワンのキック、16分音符で細かく刻むカッティングギター、クラビネットとホーンセクショ
1970年代のファンクの手ざわりを、サンプリングと現代の録音技術で作り直した音楽。土台は往年のファンクそのままで、1拍目を強く踏むワン・オン・ザ・ワンのキック、16分音符で細かく刻むカッティングギター、クラビネットとホーンセクション、跳ねるスラップベースが並ぶ。ただし出音は当時と違い、低音がはるかに深く沈み、キックとスネアは圧縮で押しつぶされて前に出る。作り方の中心はサンプラーとデジタルの音の編集で、古いレコードから抜き出した2小節の断片を延々と繰り返し、そこに自分たちで演奏したホーンや鍵盤を重ねる方式が多い。テンポは毎分100前後から120拍程度で、踊れる速度に保たれる。ヒップホップ以降の耳で作られているため、曲の展開は歌よりも、くり返しと音の足し引きに重きがあり、歌が入らずインストで完結する曲も多い。アナログテープやテープシミュレータを通した歪み、レコードの針音、わざと落とした音の細かさの粗さが、狙って古びた質感として加えられる。原曲を知らない世代のクラブでかかるダンス音楽であると同時に、レコードを掘る文化と密接につながっており、七インチのアナログ盤で発売されることが多い点も特徴である。
成り立ち
1980年代に主流から退いたファンクは、皮肉なことに、ヒップホップのサンプリング素材として生き延びた。1980年代のロンドンの中古レコード店やクラブでは、忘れられたファンクの七インチ盤を掘り起こして踊らせるレア・グルーヴの文化が興り、そこから1980年代後半にアシッド・ジャズが生まれた。1985年結成のJames Taylor QuartetやThe Brand New Heavies(商業的なブレイクは1991年)などが、生演奏によるファンク再現に向かった。1990年代半ば以降、deep funkの収集家のシーンを中心に、レアな45回転ファンクに影響を受けた新作を作る「ヌー・ファンク(funk revivalist)」のシーンが広がり、定義には諸説ある。ニューヨークのDaptone Recordsは、アナログ・テープ中心(近年は8トラック録音が増えている)で新曲を録り、機材は新旧混在で、Sharon Jones and the Dap-KingsやThe Budos Bandがその代表とされる。一方で、サンプラーと現代のミックスを使って新旧を混ぜる側をヌー・ファンクと呼ぶ使い方もある。米国のKay-Dee Records(Kenny Dopeが2003年に設立)、英国のBombstrikes(2004年設立)、Freestyle Records(2003年設立)といったレーベルが受け皿となり、フランスのBreakbotやドイツのMr. Confuse、日本のOsakaMonaurailらが国境を越えて交流した。オランダのKraak & Smaakや、英国のHerbaliserも近い位置にいる。2010年代には、ファンクの語法が広い舞台でも聴かれ、Mark RonsonとBruno Marsの『Uptown Funk』(2014)が全米1位を14週続ける世界的な大ヒットとなり、Daft Punkの『Random Access Memories』(2013)は、セッション・ミュージシャンの生演奏とNile Rodgersの参加でディスコとファンクを再訪した。ただしヌー・ファンクという語は他称に近く、ファンク・ブレイクスといった呼び名と重なり合っており、境目は今もあいまいである。オリジナルの演奏者に印税が渡らないままサンプリングされてきた歴史への批判もあり、近年は権利処理や共同名義での発表が増えている。
代表曲
- Leave the Door Open (Silk Sonic)
- Get Lucky (Daft Punk)
- Smokin Out the Window (Silk Sonic)
- Canned Heat (Jamiroquai)
- Dragonball Durag (Thundercat)
- Them Changes (Thundercat)
- Dean Town (Vulfpeck)
- Fly As Me (Silk Sonic)
- Back Pocket (Vulfpeck)
- The Beachcomber (Vulfpeck)
- Give Me Something (Vulfpeck)
- Walking on the Moon (Thundercat)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Funk
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