P-Funk(ピーファンク)とは
George Clintonを中心とする集団が1970年代に作り上げた、ファンクの拡張版とも言うべき音楽である。リズムの基礎は、1拍目を全員で強烈に打つという原則で、その一撃に向かって全ての楽器が収束し、そこから次の小節までを自由
George Clintonを中心とする集団が1970年代に作り上げた、ファンクの拡張版とも言うべき音楽である。リズムの基礎は、1拍目を全員で強烈に打つという原則で、その一撃に向かって全ての楽器が収束し、そこから次の小節までを自由に埋めていく。ドラムは複雑さより粘りを重視し、ベースは弦を叩き引っ張る奏法によって、旋律と打楽器の両方の役割を同時に担う。この分野の大きな特徴は低音域のシンセサイザーの用い方で、鍵盤奏者がアナログの単音シンセを用いて、太く弾力のある低音の音型を作り出し、その手法はファンクやエレクトロなどに広まった。加えて、口にくわえた管を通してギターや鍵盤の音を発声器官で加工し、楽器に喋らせる装置(トーク・ボックス)が使われることもある。ギターは歪ませたロック的な独奏を長時間展開することもあり、サイケデリック・ロックとの境界は意図的に曖昧にされている。管楽器はJames Brownの一派から加わった名手が担い、鋭い斉奏で場面を切り替える。歌は多人数による掛け合いと合唱が中心で、旋律より合言葉の反復が重視される。曲は10分を超えることも多く、歌詞は宇宙船、架空の博士、ファンクを持たない敵といったSF的な神話体系を語る。
成り立ち
出発点は1950年代半ば(1955〜56年)、アメリカ・ニュージャージー州プレインフィールドの理髪店である。そこで働いていたGeorge Clintonが店の仲間と組んだ合唱団がThe Parliamentsであり、1967年に一度ヒットを出した。しかしレコード会社との紛争によりその名を使用できなくなったため、彼はバンドの演奏者を前面に出し、歌手たちはクレジットされないゲストの位置づけで、Funkadelicという別名義(1968年ごろ)で活動を始めた。この名義では、ロックの轟音とサイケデリックな実験を全面に出し、1971年の作品では、ギタリストEddie Hazelに、自分の母親が死んだと想像して弾けと指示したと伝えられる(後半は母が生きていると想像して弾くよう指示されたとも)10分間の独奏が残されている。この演奏は現在もロック史上屈指のものとして語られる。やがて名称の権利を取り戻すと、彼は同じ人員でParliamentという名義も並行させ、こちらでは管楽器と合唱を厚くした、より祝祭的で商業的な音楽を作った。二つの名義を使い分けて同じ集団が別の顔を持つという構造自体が、この一派の特異さを示している。1971年にJames Brownのバンドを離れたBootsy Collinsが1972年に加わり、鍵盤のBernie Worrell(1970年のFunkadelicのデビュー作の後に正式加入)が理論的な支柱となる。1975年に発表されたマザーシップ・コネクションは、宇宙船に乗った黒人が地球にファンクをもたらすという物語を提示し、アフロフューチャリズムと呼ばれる思想の代表例となった。抑圧された現実の代わりに宇宙的な神話を用意するという発想は、後の黒人文化に広く受け継がれている。舞台では実際に巨大な宇宙船の模型が降下する演出が行われ、その複製は後に国立の博物館に収蔵された。1978年の作品では、国家という語をファンクの旗のもとに読み替えた楽曲が大きな成功を収める。しかし1980年代に入ると、レーベルCasablancaの崩壊とPolyGramによる買収に伴う財政難と法的問題、さらにClintonの薬物問題が重なり、組織は解散した。George Clintonは以後、自らの作品の著作権をめぐって数十年にわたる法廷闘争を強いられている。皮肉なことに、彼らの音源は1990年代のGファンクによって膨大に引用され、その世代の成功を支えることになった。
代表曲
- Maggot Brain (Funkadelic)
- Atomic Dog (George Clinton)
- (Not Just) Knee Deep (Funkadelic)
- One Nation Under a Groove (Funkadelic)
- Mothership Connection (Parliament)
- Can You Get to That (Funkadelic)
- Dr. Funkenstein (Parliament)
- Unfunky UFO (Parliament)
- Wars of Armageddon (Funkadelic)
- Up for the Down Stroke (Parliament)
- I'd Rather Be with You (Bootsy Collins)
- Chocolate City (Parliament)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Funk、 Psychedelic Rock、 Jazz Funk
影響を与えたジャンル
G-Funk、 Jazz Funk
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