Rebetiko(レベティコ)とは
19世紀末から20世紀前半にかけて、ギリシャ人の都市の下層社会で歌われた歌である。起源は19世紀末にさかのぼり、1920年代に融合が進み、1930年代に古典的な形になった。編成の中心はブズーキという長い棹を持つ、弦をはじいて鳴らす
19世紀末から20世紀前半にかけて、ギリシャ人の都市の下層社会で歌われた歌である。起源は19世紀末にさかのぼり、1920年代に融合が進み、1930年代に古典的な形になった。編成の中心はブズーキという長い棹を持つ、弦をはじいて鳴らす楽器で、金属弦を撥で弾き、細かく震わせる奏法によって独特の金属的な響きを作る。加えて、これを極端に小型化した楽器が用いられる。これは携帯しやすく、また衣服の下に隠して警察の目を逃れることができたため、しばしば獄中で自作された。伴奏にはギターが加わる。旋律はオスマン帝国の音楽理論に由来する旋法の体系に基づいており、西洋の長短調では説明できない音階と、半音より狭い音程の揺れが用いられる。リズムには複数の型があり、とりわけ9/8拍子を不均等に分割する型は、男が一人で即興的に踊るための特別なものとされる。ほかに2拍子の連なって踊る型や、腰を使う4拍子の型がある。テンポは緩やかなものが多いが速い型もあり、歌唱は装飾を凝らしながら、しわがれた荒い男声で歌われることが多い。歌詞は大麻の吸引、監獄、貧困、病、報われない恋、死、そして故郷の喪失を扱う。道徳的な教訓よりも、社会の底辺に生きる者の現実がそのまま提示される。
成り立ち
この歌の成立には二つの流れがある。ひとつはオスマン帝国領のスミルナ、現在のイズミルにあった都市的な酒場の音楽で、こちらは洗練された旋法と女性の歌手を含んでいた。もうひとつはギリシャ本土の港湾都市ピレウスの、犯罪と麻薬に近い下層社会の音楽である。この二つを一つにしたのが、1922年の悲劇的な出来事だった。ギリシャとトルコの戦争がギリシャの敗北に終わり、その後の1923年の条約による住民交換が、すでに多くの人々が避難していた現実を後から公式に認め、小アジアなどに長く住んでいたギリシャ系の人々、推計で100万〜150万人が、着の身着のまま本土へ移ることになったのである。彼らの多くはピレウスをはじめ、アテネやテッサロニキなどの港湾都市に定住し、ピレウスの港湾部には掘っ立て小屋の集落もできた。この極限的な貧困と喪失の中から、この歌は現在の形を得た。Markos Vamvakarisはこの世代の中心人物であり、ピレウスの下層の生活を飾らない言葉で歌って、この分野の族長と呼ばれる。しかし歌の内容ゆえに、この音楽は権力から敵視された。1936年に成立した独裁体制は、大麻や裏社会を扱う歌の録音を許可制にして検閲し、東方的な音のヨーロッパ化を勧告した。1938年には一部の放送局がアマネス(東方風の嘆き歌)を放送禁止にしたが、ブズーキそのものが禁止されたという通説は俗説とされる。第二次世界大戦中の枢軸国による占領と大飢饉の時期、Vassilis Tsitsanisは、この分野の西洋化を進め、広い層に知らしめた。彼が占領下の1943年か44年に書いた曇った日曜日という楽曲は、「一種の非公式の国歌」と評されている。歌手の側では、Sotiria Bellouが特筆される。彼女は同性愛者であることを公言し、左派のEAM系の抵抗運動に加わってナチスに捕まり、拷問と投獄を経験した人物だった。戦後、この音楽は左派からは敗北主義的だと批判され、右派からは不道徳だと非難されたが、1960年ごろから作曲家のMikis TheodorakisやManos Hatzidakisがブズーキ奏者を起用して再評価が始まり、本格的な復興は1974年の軍政崩壊後の1970年代だった。
代表曲
- Frangosyriani (Markos Vamvakaris)
- Misirlou (Tetos Demetriades)
- Soura ke Mastoura (Anestis Delias)
- Fragosyriani (Markos Vamvakaris)
- Ime Prezakias (Roza Eskenazy)
- Synnefiasmeni Kyriaki (Vassilis Tsitsanis)
- Hartopehtis (Nontas Sgouros)
- Erinaki (Kostas Roukounas)
- Enas Magas ston Teke mou (Róza Eskenázi)
- Pireotissa (Sotiria Bellou)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Blues、 Flamenco
影響を与えたジャンル
Blues、 Flamenco
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