Sludge Metal(スラッジメタル)とは
ドゥームメタルの遅さとハードコア・パンクの荒々しさを混ぜ合わせた、粘りつくような重さを持つ音楽。ギターは最も低い弦をさらに下げる変則調弦を用い、アンプの歪みを限界まで上げ、しばしばファズを重ねて音の輪郭を溶かす。テンポは極端に遅い
ドゥームメタルの遅さとハードコア・パンクの荒々しさを混ぜ合わせた、粘りつくような重さを持つ音楽。ギターは最も低い弦をさらに下げる変則調弦を用い、アンプの歪みを限界まで上げ、しばしばファズを重ねて音の輪郭を溶かす。テンポは極端に遅いのが基本で、一部のバンドは曲の途中で速いパートへ切り替える。ベースは歪ませてギターと同じ音域を重ね、低音の塊を作る。和声は短調やフリギア旋法の断片で、旋律的な展開はほぼない。歌唱は喉を潰すような絶叫と悲鳴が中心で、歌詞の言葉は判別しにくい。歌詞の主題は薬物依存、貧困、暴力、精神の崩壊、南部の湿った風土と閉塞感で、抽象的な悪魔崇拝ではなく生々しい人生の泥が描かれる。録音は意図的に汚く、音が団子になる状態が好まれる。ライブは耐えがたい音量で行われ、空気の圧力そのものが体験の中身になる。
成り立ち
起源は1980年代半ばのカリフォルニアのハードコア・パンク(Black Flag、Flipper、Fang)にさかのぼり、1980年代末にワシントン州のMelvinsとニューオーリンズ勢が発展させ、1990年代にはルイジアナが最大級のシーンになった。ルイジアナ一帯は湿度が高く、経済的に困窮し、麻薬の流通が深刻な問題となっていた。音の直接の親はイギリスのBlack Sabbathで、その遅く重いリフを、アメリカのハードコア・パンク、とくにBlack FlagがMy Warの片面で見せた遅さと、Melvinsの実験が接続した。ニューオーリンズでは1988年にEyehategodが結成され、1990年の『In the Name of Suffering』と1993年の『Take as Needed for Pain』で、この様式を決定づけた。彼らの音は意図的に不快で、フィードバックの雑音がそのまま曲の一部になっていた。歌手Mike Williamsは実際に長年の薬物依存と極度の貧困の中にあり、2005年のハリケーン・カトリーナで家を失い、その後、麻薬容疑でMorgan Cityで逮捕され、友人らは収監を知らなかった。同じ街ではCrowbarがKirk Windsteinを中心に、より旋律的で悲哀に満ちた重さを作り、Down、Soilent Green、そしてホーマのAcid Bathらが加わり、ルイジアナは一つのシーンを形成した。ジョージア州アセンズではHarvey Milkが、より変則的な方向を示した。1990年代以降、Neurosisが(1992年の『Souls at Zero』以降)ハードコアから変化し、1997〜98年に結成されたIsisやCult of Lunaが続いて、この語法はより長大で構築的な方向へ広げられ、後にポストメタルと呼ばれる流れを生んだ。2000年代以降はMastodonやBaronessといったバンドが、ここから出発してより広い聴き手に届いた。ただしCrowbarのKirk Windsteinは、「スラッジ」という呼称への違和感を述べている。
代表曲
- Embracing Emptiness (Crowbar)
- Crowbar(Crowbar)
- Scream of the Butterfly (Acid Bath)
- Planets Collide (Crowbar)
- Bleed Me an Ocean (Acid Bath)
- Honey Bucket (Melvins)
- The Blue (Acid Bath)
- Dr. Seuss Is Dead (Acid Bath)
- Take as Needed for Pain(Eyehategod)
- Cheap Vodka (Acid Bath)
- Dopesick (Eyehategod)
- All I Had (I Gave) (Crowbar)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Doom Metal
影響を与えたジャンル
Doom Metal、 Post-Metal
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