Zouglou(ズーグルー)とは
コートジボワールの最大都市アビジャンで生まれた、打楽器と合唱を軸とする音楽である。編成の中心は打楽器で、複数の太鼓と瓶や金属を叩く音が層をなし、4拍子を細かく分割した密度の高いリズムを作る。ここへギターが高い音域で短いフレーズをく
コートジボワールの最大都市アビジャンで生まれた、打楽器と合唱を軸とする音楽である。編成の中心は打楽器で、複数の太鼓と瓶や金属を叩く音が層をなし、4拍子を細かく分割した密度の高いリズムを作る。ここへギターが高い音域で短いフレーズをくり返し、低音楽器が支える。後年にはシンセサイザーと打ち込みが加わった。テンポは中庸から速い。いちばんの特徴は歌い方の形にある。独唱者が一節を歌い、複数人の集団が声を揃えて応答するという掛け合いが、曲の全体を貫く。この合唱は洗練された和音ではなく、素朴な斉唱と単純な重ねであり、誰でも一緒に歌えることが優先される。言語はヌーシ(アビジャンの若者の俗語)を中心に、フランス語や各民族語が混ざる。この言語の混淆自体が、多民族都市の現実を反映している。歌詞こそがこの音楽の中心である。学生寮の劣悪な環境、失業、汚職、日常の困窮といった現実を、笑いと誇張を交えて語る。深刻な内容を深刻に語るのではなく、自嘲と諧謔によって共有するという態度が一貫しており、聴き手は笑いながら自分たちの状況を確認することになる。
成り立ち
この音楽は、1990年ごろ、アビジャンのヨプゴン(Yopougon)の大学寮で学生が始めたとされる。当時のコートジボワールは、経済危機と国際機関による緊縮政策の影響で公的支出が削減され、大学の寮は定員を大幅に超える学生で溢れていた。彼らはひどい生活環境と、卒業しても職がないという展望のなさに直面していた。この状況で、学生たちが夜に集まり、身の回りの物を叩きながら自分たちの境遇を歌にしたのが始まりとされる。名称は、バウレ語の「ゴミのように積み重なった」という意味の語に由来するという説が有力だが、踊りの仕草を冗談で呼んだのが始まりという説明もある。同じ年、この国では一党制が終わり、複数政党制への移行をめぐる政治的な混乱が起きていた。学生運動はその中心にあり、この音楽は運動のBGMとしても使われた。当初は録音されない口伝えの歌だったが、1991年には商業的な録音が始まる。Les Parents du CampusやPetit Yodé & l'Enfant Siroといった集団が人気を得て、この様式は全国的なものとなった。国際的な成功のきっかけは1999年にアビジャンで録音・発表された、Magic Systemの「1er Gaou」である。恋人に捨てられた男の滑稽な物語を歌ったもので、当初は国内向けだったが、フランスに暮らす移民の共同体を通じて広まり、2002年にフランスで最高4位のヒットになった。以後この曲は世界中で演奏され続けている。しかし本国では困難が続いた。2002年に始まった内戦によって国土は南北に分断され、多くの音楽家が活動を制限される。2001年ごろにパリのコートジボワール系移民(Douk Sagaら)が始めたクペ・デカレという別の様式が、内戦期に支配的な潮流になった。この様式は享楽的だった。それは戦争の現実から目を逸らすための音楽だったとも解釈されている。
代表曲
- Premier Gaou (Magic System)
- Je t'aime (Espoir 2000)
- Bouger Bouger (Magic System)
- Adelle (Les Youles)
- Politique meurtrière (Les Salopards)
- Sorcellerie (Les Youles)
- Jeunesse en mouvement (Toofan)
- Poisson d'avril (Magic System)
- Viens voir (Soum Bill)
- Pourquoi tu pleures ? (Petit Denis)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Highlife、 Soukous、 Calypso
影響を与えたジャンル
Afropop、 Afrobeats
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