Afro-Fusion(アフロフュージョン)とは
西アフリカの音楽の土台を保ちながら、欧米のR&B、ヒップホップ、ポップスの音づくりを重ねた現代のアフリカン・ポップス。土台にあるのは打楽器が何層にも重なる作りで、コンガ、ジェンベ、シェケレといった打楽器の音を打ち込みで再現し、拍を
西アフリカの音楽の土台を保ちながら、欧米のR&B、ヒップホップ、ポップスの音づくりを重ねた現代のアフリカン・ポップス。土台にあるのは打楽器が何層にも重なる作りで、コンガ、ジェンベ、シェケレといった打楽器の音を打ち込みで再現し、拍を細かく分割した反復パターンが幾重にも噛み合う。ドラムはキックの位置が四つ打ちではなく、3拍のまとまりを2拍の枠に押し込むポリリズムの感覚で置かれ、常に軽く前のめりに転がる。テンポは毎分100から115拍程度が中心で、身体を左右に揺らす速度に置かれている。ベースは太いシンセの低音で、和音は明るい長調か、短調でも陰にならない循環進行が好まれる。上物にはエレキギターのハイライフ由来の細かいアルペジオ、シンセのフルート音、木琴のような減衰の速い音色が使われる。歌い方がいちばんの特徴で、英語、ピジン英語、ヨルバ語、イボ語、トゥイ語などが一曲の中で自在に混ざり、メロディーは細かい飾りの音でよく揺れる。歌詞は恋愛と祝祭が中心だが、政治や貧困への言及も混ざる。同じアフリカ発でも、フェラ・クティのアフロビートが10分を超える長尺と激しい政治批判を特徴としたのに対し、こちらは3分前後の明快なポップスとして作られる点が違う。
成り立ち
現在の形は、2000年代から2010年代にかけて、ナイジェリア、ガーナ、英国で育って固まった(単一の起点や場所を定説とする根拠はない)。土台には長い蓄積があった。1950年代のハイライフ、1970年代にFela Kutiが確立したアフロビート、そしてジュジュ音楽の伝統がある。1990年代から2000年代にかけて、ナイジェリアの若い制作者たちはヒップホップとダンスホールを取り込みながら、自国の言葉で歌う音楽を模索していた。2004年、当時2Faceの名で活動していたInnocent Idibia(のちに2Baba)の『African Queen』(アルバム『Face 2 Face』は2004年5月発売)が大陸全体でヒットし、続く2000年代後半にはP-Squareやレーベルモ・ハイツが市場を作った。大きな転機となったのは2010年前後から2011年にかけてで、2010年1月にWizkidが『Holla at Your Boy』(アルバム『Superstar』は2011年)で登場し、2011年10月にはDavidoが『Dami Duro』で続いた。制作者ではSarz、Shizzi、Legendury Beatzらが、打楽器の反復と現代的な低音を組み合わせた音を確立した。国際的な突破口は2016年、DrakeがWizkidを迎えた『One Dance』が世界各国で一位を取ったことで、これによりアフリカのポップスが欧米の主流市場に届く道筋ができた。2019年、Burna Boyがアルバム『African Giant』でグラミー賞にノミネートされ、翌々年の『Twice as Tall』で受賞した。彼はアフロビーツという一括りの呼称を嫌い、自分の音楽をアフロフュージョンと呼ぶことを繰り返し主張している。この呼び名の問題はシーン全体の論争でもあり、多様な国と様式をまとめてしまう欧米側の分類に対する反発が根強い。背景には、ナイジェリアの人口の半分以上が25歳未満という若年人口の膨張と、携帯電話とストリーミングの普及がある。Tems、Rema、Asakeら次世代が続き、ガーナのStonebwoyも活躍した。2023年にはグラミー賞に「Best African Music Performance」部門の新設が発表され、2024年に初めて授与された。
代表曲
- Calm Down(Rema)
- Love Nwantiti(CKay)
- On the Low(Burna Boy)
- Fall(Davido)
- Essence(Wizkid ft. Tems)
- Mad Over You (Runtown)
- Godly (Omah Lay)
- Fever (Wizkid)
- Aye (Davido)
- Dumebi (Rema)
- Killin Dem (Burna Boy & Zlatan)
- Free Mind (Tems)
- Skelewu (Davido)
- Iron Man (Rema)
- Lady (Rema)
- Holla at Your Boy (Wizkid)
- Alcohol (Joeboy)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Afrobeat、 Dancehall、 Afroswing、 Afropop、 Reggae、 Hip Hop、 Amapiano、 Afrobeats
影響を与えたジャンル
Afroswing、 Afropop、 Dancehall、 Reggae、 Hip Hop、 Amapiano
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