British Blues(ブリティッシュブルース)とは
1960年代のイギリスで、アメリカの黒人のブルースを若い白人の演奏者が再現しようとしたことから生まれた音楽である。編成はギター、ハーモニカ、ピアノ、ベース、ドラムを基本とし、原曲に忠実であろうとする姿勢が強い一方、英国の演奏者は、
1960年代のイギリスで、アメリカの黒人のブルースを若い白人の演奏者が再現しようとしたことから生まれた音楽である。編成はギター、ハーモニカ、ピアノ、ベース、ドラムを基本とし、原曲に忠実であろうとする姿勢が強い一方、英国の演奏者は、音量をロックのような大音量の方向へさらに進めた。決め手になったのはギターの音である。分厚い胴を持つギターを、大出力の真空管アンプの限界まで音量を上げて鳴らすことで、弦の一音が長く伸び、歪みながら持続する音色が生まれた。歪んだギターの音そのものは本場のシカゴ・ブルースにもあったが、Les PaulをMarshallアンプで過入力にするこの組み合わせの音色は、イギリスで確立された。弾き方はアメリカの一音ずつのメロディーの線を受け継ぎつつ、チョーキングによる音程の引き上げをより極端に行い、速く多くの音を弾く傾向が強い。リズムはシャッフルの跳ねた刻みが基本で、12小節の形式が守られる。歌は本場の発声をまねるが、イギリス人が黒人の南部訛りを真似るという構図には常に無理があり、それが独特の緊張を生んだ。曲は原曲より長く、即興の独奏に多くの時間が割かれる点も特徴である。
成り立ち
1950年代のイギリスでは、アメリカのブルースのレコードは一部の熱心な収集家しか持たない手に入りにくい品だった。1958年、ジャズの楽団を率いるChris Barberが、シカゴのMuddy Watersを招いて公演を行った(英国ツアー)。ただし聴衆の反応は一様ではなく、のちの英国ブルース・ブームの担い手が直接居合わせたという記録はなく、影響の大きさははっきりしない。1961年にAlexis KornerとCyril DaviesがBlues Incorporatedを結成し、1962年にはロンドンのEaling Clubを開設して、定期的な演奏の場を作った。この楽団は驚くべき人材の通過点となる。後にThe Rolling Stonesを結成するMick JaggerとBrian Jones、後にCreamを結成するJack BruceとGinger Bakerが、いずれもここで演奏していた。もう一つの結節点がJohn Mayallの楽団である。彼のもとからは、Eric Clapton、Peter Green、Mick Taylorという3人のずばぬけたギタリストが順に巣立った。1966年にEric Claptonが参加して録音された作品は、Les PaulとMarshallアンプの組み合わせによる音を確立し、批評家はロック系のギターの発展に大きな影響を与えたとみなしている。この時期のシーンには、「本物にこだわる立場」をめぐる深刻な対立があった。ブルースは黒人の音楽であり、商業的な流行歌へ近づけるべきではないという立場と、より広い聴衆を求める立場が衝突したのである。実際、Eric ClaptonはThe Yardbirdsが売れ線の楽曲を出したことに反発して脱退している。この運動には良い面と悪い面の両方がある。イギリスの若者の熱意によって、アメリカ本国では忘れられていた黒人の演奏者たちが再発見され、演奏の機会と収入を得たことは事実である。一方で、彼らの楽曲が作曲者名を明記されずに録音され、莫大な利益が白人のバンドへ流れたという問題も存在し、後年になって訴訟も起こされた(1985年のWillie Dixonによる、Led Zeppelinの「Whole Lotta Love」をめぐる訴訟は示談となった)。この構造は現在も批判的に検討され続けている。
代表曲
- I Can't Quit You Baby (Led Zeppelin)
- Black Magic Woman (Fleetwood Mac)
- Beck's Bolero (Jeff Beck)
- All Your Love (John Mayall's Bluesbreakers)
- Walking by Myself (Gary Moore)
- Born Under a Bad Sign (Cream)
- Spoonful (Cream)
- Hideaway (John Mayall's Bluesbreakers)
- Let Me Love You (Jeff Beck Group)
- Shake Your Moneymaker (Fleetwood Mac)
- Need Your Love So Bad (Fleetwood Mac)
- Boom Boom (The Yardbirds)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Chicago Blues、 Delta Blues
影響を与えたジャンル
Blues Rock、 Hard Rock
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