Cool Jazz(クールジャズ)とは
ビバップの熱狂と速度への反動として、抑制と均衡を選び取ったジャズ。BPMは中庸から遅めで、音量は全体に小さく保たれる。管楽器の音色が最大の識別点で、サックスは軽い音色を用い、トランペットもミュートを多用して角を丸める。「cool」
ビバップの熱狂と速度への反動として、抑制と均衡を選び取ったジャズ。BPMは中庸から遅めで、音量は全体に小さく保たれる。管楽器の音色が最大の識別点で、サックスは軽い音色を用い、トランペットもミュートを多用して角を丸める。「cool」の呼び名は、1953年頃、CapitolのLP『Classics in Jazz: Cool and Quiet』の発売を機にこの音楽に当てはめられ、広まった。編成には通常のジャズ編成には少ない楽器が加わり、フレンチホルンやチューバなどが用いられる。書法の面では、対位法、すなわち複数の旋律が独立して同時に進行する手法が積極的に取り入れられ、バロック音楽やクラシックの室内楽に近い緻密な編曲が施される。和声は拡張和音を用い、テンポはビバップより緩やかである。即興は激情ではなく論理を旨とし、旋律的な線の美しさが評価される。リズムは軽く、ドラムは音量を抑え、ベースは滑らかに進む。全体として、ジャズを室内楽的な聴取の対象として提示する試みであった。
成り立ち
決定的な出発点は1949年から1950年にかけて、ニューヨークで行われたMiles Davisを中心とする9人編成のスタジオ録音である(1948年にはライブ出演があった)。これらは1957年にLP『Birth of the Cool』(11曲)としてまとめられた。集まりの中心人物はカナダ出身のGil Evansで(編曲者にはMulligan、Lewis、Carisiらもいた)、彼のアパートの部屋が若い音楽家たちの議論の場となっていた。参加者にはGerry Mulligan、Lee Konitz、John Lewis、Max Roachらがいる。彼らはビバップの語法を踏まえながら、大編成の色彩とビバップの機動性を両立させる編曲を模索した。もう一つの源流はピアニストLennie Tristanoの周辺で、彼は対位法的な即興と厳格な訓練を弟子に課し、Lee KonitzやWarne Marshを育てた。1950年代に入ると、この美学は米国西海岸で商業的に開花し、ウエストコースト・ジャズと呼ばれるようになる。Gerry Mulligan がロサンゼルスでピアノを含まない四重奏を結成し、トランペットのChet Bakerとの対位法的な絡みが人気を博した。Chet Bakerは甘い外見と囁くような歌唱でも人気を集めたが、長年の薬物依存の末、1988年にアムステルダムのホテルから転落して死去した(事故と判断されたが、状況には別説もある)。Dave Brubeck四重奏団は1959年のTime Outで、4分の5拍子のTake Fiveをはじめ、変拍子や珍しい拍子の実験を中心とする作品を発表し、ジャズのアルバムとして初めて100万枚以上を売ったとされる。批判も強く、批評の言説に人種的な偏りがあったと論じられている。一方で、Miles DavisやJohn Lewis、Max Roachなど黒人の演奏家も重要な役割を担った。ハードバップは1950年代半ばにニューヨークとデトロイトで起こり、クール・ジャズへの反応とする見方や、他の要因を挙げる見方がある。
代表曲
- My Funny Valentine (Chet Baker)
- Blue Rondo à la Turk (The Dave Brubeck Quartet)
- Boplicity (Miles Davis)
- Moon Dreams (Miles Davis)
- Walkin' Shoes (Gerry Mulligan Quartet)
- Let's Get Lost (Chet Baker)
- Django (The Modern Jazz Quartet)
- Bernie's Tune (Gerry Mulligan)
- Jeru (Miles Davis)
- Godchild (Miles Davis)
- Line for Lyons (Gerry Mulligan Quartet)
- Rocker (Miles Davis Nonet)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Bebop
影響を与えたジャンル
Post-Bop、 Modal Jazz、 Third Stream
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