Euphoric Hardstyle(ユーフォリックハードスタイル)とは
ハードスタイルの骨格を保ちながら、旋律と高揚感を最前面に押し出した様式である。土台となるのは一分間に150拍前後の四つ打ちで、各拍に置かれるキックが決定的な役割を果たす。このキックは単なる打撃音ではなく、頭の短い破裂音と、そこに続
ハードスタイルの骨格を保ちながら、旋律と高揚感を最前面に押し出した様式である。土台となるのは一分間に150拍前後の四つ打ちで、各拍に置かれるキックが決定的な役割を果たす。このキックは単なる打撃音ではなく、頭の短い破裂音と、そこに続く音程を持った長い胴体で構成されており、胴体部分の音程を下降させることで独特の圧迫感を生む。この胴体が和音の低音を兼ねるため、ベース楽器を別に置く必要がない設計になっている。曲の構成は明確に演出されており、盛り上がりに向けて音を足しながら緊張を高める区間、すべての楽器が止まって旋律だけが残る区間、そして全要素が戻る解放の区間が、決まった順序で配置される。旋律は長調・短調の双方があり、感情的で歌いやすい旋律が特徴で、ピアノや弦楽器を模した音色で提示されることが多い。ここが同系統の他の様式との最大の違いで、攻撃性よりも感情の高ぶりと多幸感が目的に据えられている。歌はしばしば女性の歌声が使われ、内容は喪失、再起、仲間との結束といった主題を扱う。演奏の場は数万人規模の屋外の祭典であり、音そのものが照明と花火を伴う演出の一部として設計されている。
成り立ち
ハードスタイルは、1990年代後半にオランダ・ベルギー・イタリアを起源として現れた。ハードトランスに由来する特徴を持ち、ハードコアの影響を受けたとされ、初期は毎分140拍前後で、トランス寄りの旋律も含まれていた。2000年代前半には、硬質で攻撃的な音楽として定着した。転機は2010年前後である。この時期、屋外の大規模な音楽祭が事業として急速に拡大し、数万人を一度に相手にする演出が求められるようになった。2010年頃から旋律重視のユーフォリックが現れた。中心となったのはオランダを中心とする制作者たちで、HeadhunterzとWildstylezは2008年にアルバム『Project One』を発表し、スウェーデン出身のウェイステッド・ペンギンズ(Wasted Penguinz)や、ノイズコントローラーズ、オーストラリアのオーディオフリーク(Audiofreq)らが続いた。ピアノの旋律と女性の歌声を軸に据えた構成は、ブレナン・ハート(Brennan Heart)や、2013年からハードスタイルを手がけたオーディオトリックス(Audiotricz)らの活動で広まり、この方向性は一つの様式として定着していった。舞台となったのが、オランダのビッディングハウゼン(Walibi Holland)で2011年から開かれるディフェクォンワン(以前はアルメールで開催)や、ベルギーのトゥモローランドといった大規模な祭典である。これらの催しは花火、映像、照明を含めた総合的な演出を前提としており、曲の構成そのものがその演出に合わせて設計されるようになった。暗い音を求める作り手や聴き手がいて、約2010年にロー・ハードスタイルが生まれた。以後、旋律重視と硬派の二つの流れが並走する構図が続いている。
代表曲
- Dragonborn (Headhunterz)
- Year of Summer (Wildstylez ft. Niels Geusebroek)
- So High (Noisecontrollers)
- Destiny (Headhunterz)
- Halo (Sub Zero Project)
- See the Light (Noisecontrollers & Bass Modulators)
- Renaissance of Rave (Sub Zero Project)
- Down Down (Noisecontrollers)
- Headlights (Noisecontrollers)
- Santiago (Wildstylez)
- Sunrise (Wildstylez)
- Music = Love (Noisecontrollers & Ecstatic)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Hardstyle
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