Funk Metal(ファンクメタル)とは
ファンクのリズムとメタルの歪んだギターを正面から衝突させた音楽。土台になるのはベースで、親指で弦を叩き人差し指で引き抜くスラップ奏法により、打楽器のような輪郭のはっきりした音を出し、16分音符の細かい隙間を縫って動く。このベースが
ファンクのリズムとメタルの歪んだギターを正面から衝突させた音楽。土台になるのはベースで、親指で弦を叩き人差し指で引き抜くスラップ奏法により、打楽器のような輪郭のはっきりした音を出し、16分音符の細かい隙間を縫って動く。このベースが曲の主役になる場面が多い点が、他のメタルと決定的に違う。ギターは深く歪ませた音で短いリフを刻むが、ロングトーンではなく、休符を挟んで細切れに切る奏法が多用され、ワウペダルを踏み込んで音色を大きく変化させる。ドラムはメタルの重い音圧を保ちながら、拍の裏に細かいゴーストノートを詰め、2拍4拍にはっきりしたバックビートを置く。テンポは中庸のものが多いが、スラッシュ寄りの速い曲も少なくない。和声は単純で、ペンタトニックの短音階を基礎にした反復が続く。歌唱はラップに近い早口の語りと、絶叫と、伸びやかな歌が同じ曲の中で入れ替わる。歌詞は社会批判、人種、性、そして意図的に馬鹿げた冗談まで幅広い。ライブでは観客が跳ねることが前提で、初期のRed Hot Chili Peppersのように上半身裸で舞台を走り回る演奏者もいた。
成り立ち
土壌は1980年代半ばのアメリカにあった。一方にはJames BrownやSly and the Family Stone、Parliament-Funkadelicの遺産があり、他方にはハードコア・パンクとスラッシュメタルがあった。この二つを最初期に結びつけた一組がロサンゼルスのRed Hot Chili Peppersで、1982年(1983年とする資料もある)に結成された彼らは、Fleaのスラップベースと上半身裸の演奏で注目を集めた。ただし初期はメタルというより過激なファンクだった。決定的だったのは1980年代後半で、ニューヨークのLiving Colourが1988年に『Vivid』を発表する。ギタリストVernon Reidは、黒人の演奏家がロックから排除されている状況に抗議して1985年にBlack Rock Coalitionという団体を設立しており、このバンドはその実践だった。同じ頃、サンフランシスコのFaith No Moreが1989年に『The Real Thing』を発表し、Mike Pattonの多彩な発声で商業的な成功を収めた。サンフランシスコ近郊のエル・ソブランテで1984年に結成されたPrimusはLes Claypoolの異常なベース技巧で独自の位置を占めた。1991年、Red Hot Chili Peppersの『Blood Sugar Sex Magik』が世界的な大成功を収め、この様式は主流になった。しかし翌1992年5月、ギタリストJohn Fruscianteは重圧に耐えられず脱退し、その後数年をヘロイン依存で失っている。ほかにInfectious Grooves、Fishbone、Extreme、Mordredなどがいる。1990年代半ば以降、この語法はRage Against the Machineを経てラップメタルへ、さらにニューメタルへと引き継がれるが、その過程でファンク本来の軽やかさは失われ、より重く鈍い方向に変質した。2000年代以降は独立したジャンルとしてはほぼ語られなくなっている。
代表曲
- Can't Stop (Red Hot Chili Peppers)
- Killing in the Name(Rage Against the Machine)
- Give It Away(Red Hot Chili Peppers)
- Cult of Personality(Living Colour)
- Epic (Faith No More)
- My Name Is Mud (Primus)
- Aeroplane (Red Hot Chili Peppers)
- Jerry Was a Race Car Driver(Primus)
- Tommy the Cat (Primus)
- Midlife Crisis (Faith No More)
- Glamour Boys (Living Colour)
- Sunless Saturday (Fishbone)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Heavy Metal、 Funk
影響を与えたジャンル
Nu Metal
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