Nu Metal(ニューメタル)とは
ヘヴィメタルの重さに、ヒップホップのリズムとファンクの跳ねる感覚を接続した様式。最大の技術的特徴はギターの調弦で、7弦ギターのダウンチューニング(Kornは最低音をAに合わせたADGCFADの調弦)が代表的で、ドロップC系の調弦も
ヘヴィメタルの重さに、ヒップホップのリズムとファンクの跳ねる感覚を接続した様式。最大の技術的特徴はギターの調弦で、7弦ギターのダウンチューニング(Kornは最低音をAに合わせたADGCFADの調弦)が代表的で、ドロップC系の調弦も使われ、これにより低音の刻みが打楽器に近い性格を持つ。奏法はギター・ソロをほぼ排除し、代わりに短く切ったリフの反復と、弦を掻いて音程を持たない打撃音を出す技法も使われる。ベースは前に出て歪み、時にスラップ奏法で跳ねる。ドラムは8分音符の直線的な刻みではなく、ヒップホップ的にずらしたバスドラムの配置と、シンコペーションの効いた跳ねる型を用いる。BPMはおおむね90〜120前後の中速が多く、メタルとしては遅めだが、曲によって幅がある。編成にはターンテーブルを操作するDJやサンプラー担当が加わることが多く、擦り音や効果音が上物を担う。歌唱は歌、ラップ、そして絶叫を曲中で切り替えるのが定番。歌詞は父親との対立、いじめ、疎外、怒り、自己嫌悪といった個人的な苦痛を直截に扱い、政治的な主張や幻想的な題材は少ないが、政治的な歌詞のSystem of a Downや、希望を歌うP.O.D.のような例外もある。
成り立ち
1990年代前半の米国で、複数の潮流が合流して形成された。前史として、1980年代末のFaith No More、Living Colour、そしてRed Hot Chili Peppersが示したロックとファンクの融合、さらに1986年のRun-D.M.C.とAerosmithによるWalk This Wayの共演が、メタルとヒップホップの接続の先例となった。しばしば出発点とされるのは、カリフォルニア州ベイカーズフィールドのKornで、彼らは1994年のデビュー作で、Fieldyの歪んだベース、7弦ギターの低い刻み、そしてJonathan Davisによる幼少期の性的虐待を歌った歌詞という組み合わせを提示した。この個人的な苦痛の露出が、それまでのメタルとの大きな違いだったとされる。制作を手がけたRoss Robinsonは、以後この分野の音を作る中心人物となった。1997年、Limp Bizkitが登場し、Fred Durstによるラップと商業的な戦略により、この様式を大衆化した。1999年から2001年にかけて最盛期を迎え、Linkin Parkが2000年のHybrid Theoryで、より旋律的で内省的な方向を示して少なくとも2700万枚以上を売り上げた。Slipknotは覆面と9人編成という異様な形態で、より極端な攻撃性を持ち込んだ。象徴的な事件のひとつが1999年のウッドストック・フェスティバルで、Limp Bizkitの演奏中に暴徒化した観客が施設を破壊し、複数の性的暴行が報告された。この事件により、この音楽は暴力と結び付けて語られるようになったが、ジャンルの商業的な絶頂期はその後の2001年(Hybrid Theoryが米国で最も売れたアルバムになった年)に訪れており、人気の下降は2002年ごろから見られた。2000年代前半には批評的な評価が急落し、二番煎じのバンドが大量に生まれたことで飽きられ、2000年代半ばには衰退が定着して主流の座を失った。しかし2010年代にはニュー・メタルの要素を他のジャンルに取り込む動きがあり、2020年代初頭には当時を知らないZ世代の間で再燃した。Linkin ParkのChester Benningtonが2017年に亡くなった後には、Linkin Parkの米国での売上が大きく伸びた。現在は影響源として広く言及されている。
代表曲
- In the End (Linkin Park)
- Chop Suey! (System of a Down)
- Numb (Linkin Park)
- Freak on a Leash (Korn)
- Break Stuff (Limp Bizkit)
- Duality (Slipknot)
- Bodies (Drowning Pool)
- Down with the Sickness (Disturbed)
- Toxicity (System of a Down)
- B.Y.O.B. (System of a Down)
- Aerials (System of a Down)
- Last Resort (Papa Roach)
- Blind (Korn)
- Nookie (Limp Bizkit)
- Rollin' (Limp Bizkit)
- Papercut (Linkin Park)
- One Step Closer (Linkin Park)
- Faint (Linkin Park)
- Psychosocial (Slipknot)
- Got the Life (Korn)
- Here to Stay (Korn)
- Falling Away from Me (Korn)
- Change (In the House of Flies) (Deftones)
- My Own Summer (Shove It) (Deftones)
- Y'All Want a Single (Korn)
- Rollin' (Air Raid Vehicle) (Limp Bizkit)
- Boom (P.O.D.)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Heavy Metal、 Hip Hop、 Funk Metal、 Groove Metal、 Industrial Metal
影響を与えたジャンル
Hip Hop、 Contemporary Christian Music
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