Hard-Psy(ハードサイ)とは
サイケデリック・トランスの跳ねるベースラインと、ハードスタイルやハードコアテクノの重く歪んだキックドラムを組み合わせたダンス音楽である。テンポは概ね145から160 BPMで、四つ打ちのキックの直後、裏拍にあたる位置へ短く切られた
サイケデリック・トランスの跳ねるベースラインと、ハードスタイルやハードコアテクノの重く歪んだキックドラムを組み合わせたダンス音楽である。テンポは概ね145から160 BPMで、四つ打ちのキックの直後、裏拍にあたる位置へ短く切られたベース音を置く、いわゆるオフビート・ベースがリズムの土台となる。この並べ方によって、拍の隙間が絶えず埋められ、走り続けるような勢いが生まれる。キックはサイケトランス本来の丸く短いものではなく、ハードスタイル流に長い減衰部を持ち、その尾の部分の音程を下げていくことで独特の沈み込む感覚を作る。上に重ねる音には、フェイザーやフランジャーを深くかけたアシッド的なシンセ、逆再生した金属音、映画や説教から抜き出した語りのサンプルが用いられ、曲の調は基本的に短調で、不安をあおる半音ずつの動きが多く使われる。曲は8小節ごとに要素を足し引きしながら、中盤で一度リズムを消し、シンセだけの浮遊した空間を作ってから最も重い部分へ雪崩れ込む構成を取る。屋外の大型フェスティバルの深夜帯や、明け方のテントで鳴らすことを前提にした音の作りである。
成り立ち
背景には二つの流れがある。ひとつは1990年代にインドのゴアからヨーロッパへ持ち帰られたゴア・トランスが、2000年代にダークサイケやフォレストとして高速化と暗黒化を進めた系譜であり、もうひとつは、オランダ、ベルギー、イタリアにルーツを持ち、同じ時期に巨大産業に成長したハードスタイルの系譜である。両者は長らく別のフェスティバル、別の客層を持っていたが、2000年代前半から中盤には屋外フェスがすでに複数のステージを並べる形式を取っており(Dominatorは2005年の初回からThunderdomeなど複数ステージ)、同じ週末に両方を体験する客が増えたことで距離が縮まった。オランダのNigel CoppenとThomas VeldermanによるSub Zero Projectは、ハードスタイルのキックにサイケトランスの転がるベースを組み合わせた作風を打ち出し、2014年からDirty Workzと契約し、2019年のライブ・アクト『Contagion』や2020年初演の『Rave Into Space』で知られる。この混ぜ合わせはサイスタイル(psystyle)とも呼ばれるが、ハードサイ(hardpsy)との関係や定義は決まっていない。Cooneが2006年にベルギーで設立したDirty Workzをはじめとするハードダンス系レーベルが積極的に売り出した。サイケトランスとハードコアを結びつける試みは、1996年のオランダのCenobite Records(Leviathan)にまでさかのぼり、マケドニア、フランス、ロシア、英国などでも展開した。Sub Zero Projectは、Defqon.1のREDやINDIGOなどの通常のステージに出演している。
代表曲
- Great Spirit (Armin van Buuren vs Vini Vici)
- Free Tibet (Vini Vici Remix) (Hilight Tribe)
- Namaste (Vini Vici)
- Darkest Hour (D-Block & S-te-Fan & Sub Zero Project)
- 100 (Vini Vici & Timmy Trumpet)
- The Tribe (Vini Vici)
- The Project (Sub Zero Project)
- Temple (Blasterjaxx & Vini Vici)
- Psychopath (Sub Zero Project)
- Galaxy (Paul van Dyk vs Vini Vici)
- Our World (Sub Zero Project)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Hardstyle、 Psychedelic Trance
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