Italo Disco(イタロディスコ)とは
1980年代前半のイタリアで作られた、シンセサイザー中心のディスコ。BPMは115〜130前後で、四つ打ちのキックの上に、アナログ・シンセの太い単音ベースと、きらめくアルペジオ(分散和音を高速で往復させる音型)が重なる。使用機材は
1980年代前半のイタリアで作られた、シンセサイザー中心のディスコ。BPMは115〜130前後で、四つ打ちのキックの上に、アナログ・シンセの太い単音ベースと、きらめくアルペジオ(分散和音を高速で往復させる音型)が重なる。使用機材はRoland のJuno-60やJupiter-8、Korg のPolysix、リズムはTR-808やLinnDrum が定番で、1983年までに編成はほぼ電子楽器中心になった。最大の特徴は旋律の性格で、短調を多用しながらも悲壮ではなく、どこか安っぽく人懐こい、玩具のような明るさを持つ。歌唱は英語だが、作り手の多くがイタリア人であるため文法や発音が独特で、意味が通らない歌詞がかえって異国情緒として機能した。ボコーダーやピッチシフトで加工したロボット声の掛け合いも定番。曲構成は12インチ盤向けに引き伸ばされ、長いイントロ、間奏でのシンセ・ソロ、繰り返されるフックという型を守る。アメリカのディスコが生バンドの熱量とオーケストラの厚みで作られていたのに対し、イタロ・ディスコは少人数のスタジオで機材だけを使って安価に作られており、その手作り感と過剰なロマンチシズムが独特の魅力になっている。夏の海辺のディスコ、そしてヨーロッパ各地の地方クラブの音である。
成り立ち
1970年代末から1980年代初頭のイタリア、とりわけミラノとボローニャ周辺で成立した。前史として、ミュンヘンでイタリア人のGiorgio Moroder がDonna Summer と作ったシンセ主体のディスコ(1977年のI Feel Love)が、イタリア国内の制作者に「バンドを雇わずシンセだけでディスコが作れる」という道筋を示した。国内でイタロ・ディスコ関連のプロジェクトに関わった人物にClaudio Simonettiがおり、彼はホラー映画の音楽で知られるバンドGoblin の一員でもあった(1978年のEasy Going、1979年のVivien Vee、1983年のCrazy Gangなど)。決定的な作品としては、1983年のGazebo のI Like Chopin(Pierluigi Giombini 制作)、1983年のRyan Paris のDolce Vita、1985年のBaltimora のTarzan Boy、1983年(5月5日)のRigheira のVamos a la Playa などが挙げられる。名称そのものは、西ドイツのレーベルZYX Records が1982年からイタリアの音源を海外にライセンス・販売し始める中で、創業者のBernhard Mikulski が考案者とされるが、信頼できる第三者資料では裏づけられていない。1983年の編集盤の名は「The Best of Italo-Disco」である。イタリア国内では、RAIの音楽番組Discoringで「rock elettronico(電子ロック)」や「balli da discoteca(ディスコ向けの踊り)」と呼ばれていた。ZYX を通じてドイツ、オランダ、北欧、そして東側諸国にまで大量に輸出され、とりわけソ連や東欧では西側の音楽として熱烈に受け入れられた。ユーロディスコは同時代またはそれ以前の並行ジャンルで、ソヴィエトウェイヴとの直接の継承は断定できない。制作体制は特徴的で、少数のプロデューサーが多数の変名ユニットを立ち上げ、ジャケットのモデルと歌手が別人ということも珍しくなかった。この使い捨て的な量産体制は1980年代半ばに飽和を招き、ジャンルとしては1990年代初頭に衰退し、ユーロビート、イタロ・ハウス、イタロ・ダンスに分化した。しかし1990年代のユーロビート、ユーロダンス、2000年代のエレクトロクラッシュ、2010年代のイタロ・リヴァイヴァルとナイト・ドライヴ系シンセウェイヴへと、繰り返し掘り返されて再評価されており、レコード収集家の間では今も高値で取引される分野である。
代表曲
- Tarzan Boy (Baltimora)
- I Like Chopin (Gazebo)
- Boys (Summertime Love) (Sabrina)
- Self Control (Raf)
- Call Me (Spagna)
- Happy Children (P. Lion)
- How Old Are You? (Miko Mission)
- Ma Quale Idea (Pino D'Angiò)
- Future Brain (Den Harrow)
- People from Ibiza (Sandy Marton)
- Easy Lady (Spagna)
- Vamos a la Playa (Righeira)
- Now Baby Now (Kano)
- Voyage Voyage (Desireless)
- You Spin Me Round (Like a Record) (Dead Or Alive)
- Lunatic (Gazebo)
- Problèmes d'Amour (Alexander Robotnick)
- Feel the Drive (Doctor's Cat)
- Remember (Vivien Vee)
- Dolce Vita (Ryan Paris)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Disco、 Synth Pop、 Space Disco、 Europop
影響を与えたジャンル
Eurobeat、 Eurodance、 Hi-NRG、 Synth Pop、 Europop
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