Synth Pop(シンセポップ)とは
シンセサイザーとドラムマシンを中心に伴奏を組み立て、覚えやすい旋律を歌に乗せるポップスの様式。シンセサイザーを中心楽器とし、ドラムマシンやシーケンサーを多用する点が特徴になる。使われる機材はRoland Juno-60やKorg
シンセサイザーとドラムマシンを中心に伴奏を組み立て、覚えやすい旋律を歌に乗せるポップスの様式。シンセサイザーを中心楽器とし、ドラムマシンやシーケンサーを多用する点が特徴になる。使われる機材はRoland Juno-60やKorg MS-20、Sequential Circuits Prophet-5、Yamaha DX7といったシンセサイザーと、Roland TR-808やLinnDrumなどのリズムマシン、そして音の並びを自動で繰り返すシーケンサー。ベースはシンセの低音を8分音符で機械的に刻み、上物は減衰の早い硬い音色や、逆に長く伸びるパッドを重ねる。和声は短調が多く、単純な四つのコードの循環にとどまるかわりに、音色の変化と間の取り方で表情をつける。テンポは110〜135BPM。歌唱は感情を抑えた平坦な発声が好まれ、多重録音した合唱風のコーラスが対比として置かれる。歌詞は都市の孤独、監視社会、機械化された労働、恋愛の空虚さといった、冷たさを含む主題を扱うことが多い。テクノポップとほぼ同義に使われるが、ダンス音楽としてのテクノが踊らせる機能に特化したのに対し、シンセポップはあくまで歌の形式を保つ点で異なる。
成り立ち
1970年代後半、パンクの後を受けて、日本と英国でほぼ同時期に生まれた。Kraftwerkをはじめ、Eno、Moroder、Bowieなどの影響下にあり、1974年の「Autobahn」と1978年の「The Man-Machine」は、シンセサイザーとドラムマシンを主体にしたアルバム(一部に生楽器も使用)である。もう一つの前提は技術と経済である。1970年代末に安価なアナログ・シンセサイザーが出回り、演奏技術のない若者でも一人で伴奏を作れるようになった。1977年に結成されたシェフィールドのThe Human Leagueは1978年に初シングル「Being Boiled」を出し、ロンドンではThe Normalが活動を始める。バジルドンでは、1980年にDepeche Modeの母体にあたるComposition of Soundが結成される。The Normalの正体はレコード会社の経営者Daniel Millerで、彼が自作の一枚を出すために設立したレーベルMuteは、その後Depeche Modeを擁してこの分野の中心になった。1979年、Gary Numanが率いたTubeway Armyの「Are 'Friends' Electric?」が全英1位となり、続くソロ名義の「Cars」も成功して、シンセサイザーが主役でも大衆的に売れることが証明される。1981年は決定的な年だった。The Human Leagueは中心人物の脱退後、街のディスコで見つけた素人の少女2人を加入させ、アルバム「Dare」と「Don't You Want Me」で世界的な成功を収める。同年、Soft Cellの「Tainted Love」、Depeche Modeの「Just Can't Get Enough」、Orchestral Manoeuvres in the Darkの「Souvenir」が並び、シンセポップは英国チャートの主流になった。1980年にシェフィールドで結成されたHeaven 17(1981年に初のアルバム)や、1981年後半に結成されたYazoo(1982年に初のシングル)が続く。日本では1978年に細野晴臣・坂本龍一・高橋幸宏が結成したYellow Magic Orchestraが同じ潮流と共振し、東洋的な旋律と自動演奏を組み合わせて国際的に評価された。1983年にYamaha DX7が発売されると音色は金属的で硬いものへ変わり、シンセポップの音は1980年代の商業音楽全体に吸収されて固有性を失っていく。1980年代半ば以降、Depeche Modeがより暗く硬質な方向へ進む一方、Pet Shop Boysが皮肉と洗練を持ち込み、様式は生き延びた。2000年代前半からのエレクトロクラッシュ/シンセポップ復興期にはLadytronが中心的存在となり、2000年代後半にはLa Roux、2010年代にはChvrchesらによる再評価が起こり、現在もポップスの基本語彙の一つであり続けている。
代表曲
- Take On Me (A-ha)
- Enjoy the Silence (Depeche Mode)
- West End Girls (Pet Shop Boys)
- Cars (Gary Numan)
- Personal Jesus (Depeche Mode)
- Relax (Frankie Goes to Hollywood)
- Two Tribes (Frankie Goes to Hollywood)
- Don't You (Forget About Me) (Simple Minds)
- True Faith (New Order)
- Bizarre Love Triangle (New Order)
- It's a Sin (Pet Shop Boys)
- Enola Gay (OMD)
- Rebel Yell (Billy Idol)
- Love Is a Battlefield (Pat Benatar)
- I Ran (So Far Away) (A Flock of Seagulls)
- Live to Tell (Madonna)
- Love Action (I Believe in Love) (The Human League)
- Don't Go (Yazoo)
- Souvenir (OMD)
- Alive and Kicking (Simple Minds)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Krautrock、 New Wave、 Experimental Electronic、 Italo Disco、 Electropop、 Techno Pop、 Europop、 Electronic music
影響を与えたジャンル
Electropop、 Synthwave、 Techno Pop、 J-POP、 Futurepop、 New Wave、 EBM、 Italo Disco
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