New Wave(ニューウェーブ)とは
パンク以後の1970年代末から1980年代半ばに、覚えやすい旋律と新しい音色を積極的に取り込んだロックの総称。パンクの簡潔さと速度は引き継ぎつつ、歪んだギターの壁を薄くし、代わりにRoland Juno-60、Sequential
パンク以後の1970年代末から1980年代半ばに、覚えやすい旋律と新しい音色を積極的に取り込んだロックの総称。パンクの簡潔さと速度は引き継ぎつつ、歪んだギターの壁を薄くし、代わりにRoland Juno-60、Sequential Circuits Prophet-5、Yamaha DX7といったシンセサイザー、リズムボックス、跳ねるベースライン、歪ませないクリーントーンで鋭く刻むギターを前面に出す。リズムはレゲエやスカ、ディスコの裏拍を借りたものが多く、速めのテンポの曲が多い。和声は短調と長調を行き来し、パンクより複雑なコードと明確なサビを持つ。歌唱は感情を抑えた平坦な発声、わざと神経質に震わせる声、演劇的な誇張などが好まれる。歌詞は都市生活の疎外感、消費社会への皮肉、SF的な未来像、そして恋愛を、皮肉な距離を置いて描く。角ばったスーツや原色のメイク、幾何学的なジャケット意匠を含めた総合的な様式であり、MTVの開局が普及を強く後押しした。同時期のポストパンクと重なるが、ポストパンクが暗く実験的な方向へ向かったのに対し、ニューウェーヴはヒットチャートを狙う明るさと軽さを持つ点で区別される。
成り立ち
「ニューウェーヴ」という呼称は、1970年代前半から批評家に使われていた。1977年10月、Sire Recordsの経営者Seymour Steinが、パンクという語では売り上げが落ちると考え、自社のバンドのために「Don't Call It Punk」というキャンペーンを行い、パンクの代わりの言葉として広まった。この呼び名は、フランス映画の潮流ヌーヴェル・ヴァーグに由来するとされる。Steinは、自社のRamonesやTalking Headsを売り込む際にこの言葉を使った。実態としては、ニューヨークのCBGB周辺にいたBlondie、Talking Heads、オハイオ州アクロンから出てきたDevoのように、パンクと同じ場所にいながら音楽的な語彙がより広いバンド群を指した。イギリスでは1977年以降、Elvis Costello、The Police、XTC、Squeeze、Ian Duryといった、演奏力と作曲の技巧を持つ書き手が主役になる。並行してコヴェントリーのレーベル2 Toneが人種混成のバンドでスカを復活させ、The SpecialsやMadnessが失業と人種対立の時代を歌った。決定的な転機は1979年、Gary Numanが率いたTubeway Armyの「Are 'Friends' Electric?」が全英1位となり、シンセサイザーが主役でも売れると証明したことである。同じ頃ロンドンのクラブBlitzに集まったSteve Strange周辺の若者たちが、着飾ることを主張とするニュー・ロマンティックを起こし、Spandau BalletやVisageが登場し、同じ頃バーミンガムのクラブRum RunnerからはDuran Duranが出てきた。1981年8月1日にアメリカで開局したMTVは、最初の放送でThe Bugglesの「Video Killed the Radio Star」を流した。開局当初のMTVは流せるビデオが少なく、プロモーション映像を制作済みだった英国のニューウェーヴ勢のビデオを多く流した。その流れの中で、1982年夏に始まり1983年にピークを迎えた「第二次ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼ばれる現象が起きる。日本ではYellow Magic Orchestraが同じ潮流と共振し、Japanのような英国のバンドが東洋的な意匠を取り入れた。1980年代半ばには様式が定型化して勢いを失い、より硬派な層はカレッジ・ラジオを通じてオルタナティヴ・ロックへ、大衆的な層はシンセポップやダンス・ポップへ吸収されていった。2000年代初頭には、The Strokes、Interpol、Franz Ferdinandらに代表されるポストパンク/ガレージロック・リバイバルの流れの中で、1980年前後の音色や意匠が再び注目された。
代表曲
- Sweet Dreams (Are Made of This) (Eurythmics)
- Heart of Glass (Blondie)
- Don't You Want Me (The Human League)
- Tainted Love (Soft Cell)
- Once in a Lifetime (Talking Heads)
- Everybody Wants to Rule the World (Tears for Fears)
- Hungry Like the Wolf (Duran Duran)
- 99 Luftballons (Nena)
- Just Can't Get Enough (Depeche Mode)
- Rock the Casbah (The Clash)
- Whip It (Devo)
- Shout (Tears for Fears)
- Down Under (Men at Work)
- Girls on Film (Duran Duran)
- Turning Japanese (The Vapors)
- Our Lips Are Sealed (The Go-Go's)
- Melt with You (Modern English)
- Der Kommissar (After the Fire)
- Love My Way (The Psychedelic Furs)
- Genius of Love (Tom Tom Club)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Punk Rock、 Post-Punk、 Synth Pop、 Techno Pop、 Glam Rock
影響を与えたジャンル
Synth Pop、 Coldwave、 Post-Punk、 Techno Pop
地図でNew Wave(ニューウェーブ)のルーツをたどるには、JavaScriptを有効にして 音楽ジャンルルーツ辞典 を開いてください。