Latin Pop(ラテンポップ)とは
スペイン語を中心に、ポルトガル語なども含む、米国式のポップ制作とラテン音楽の融合ジャンルである。地理的にはメキシコからカリブ海、南米、スペイン、そしてアメリカのラテン系共同体までを含み、様式は一定しない。それでも共通する特徴がある
スペイン語を中心に、ポルトガル語なども含む、米国式のポップ制作とラテン音楽の融合ジャンルである。地理的にはメキシコからカリブ海、南米、スペイン、そしてアメリカのラテン系共同体までを含み、様式は一定しない。それでも共通する特徴がある。まず旋律の重視で、覚えやすく感情の起伏の大きい線が書かれ、歌唱は抑制せず伸びやかに歌い上げる。和声は基本的な進行を用いつつ、短調と長調の間の陰影が丁寧に扱われる。アップテンポの曲では、ラテンアメリカの舞踏音楽の要素が織り込まれることが多く、キューバ由来の非対称な拍節、コロンビアのクンビアの跳ね、ドミニカのメレンゲの速い2拍子、あるいはカリブ海の跳ねた4拍子が用いられる。打楽器にはコンガ、ティンバレス、ボンゴ、ギロといったラテン打楽器が使われることが多く、これも特徴の一つである。編成には管楽器の斉奏や生ギターも入り、近年は打ち込みと電子音が主体となった。テンポは緩やかな恋愛歌から踊るための速い曲まで幅広い。歌詞は恋愛が圧倒的に中心で、情熱と喪失が直截に語られる。言語はスペイン語が中心だが、ポルトガル語や英語との併用、それらを混ぜる手法も一般的である。
成り立ち
土台にあるのは1960年代から1970年代にスペイン語圏全域で流行した、感傷的な恋愛歌の様式である。スペインのCamilo Sesto、メキシコのJosé Joséのほか、1970年代に恋愛歌手として評価され、スペイン語盤も制作したブラジルのRoberto Carlosといった歌手が、大編成の弦楽合奏を伴う劇的な楽曲によって、国境を越えた市場を作り上げた。この時期に、スペイン語という共通言語による広域の市場が成立していたことが、後の展開の前提となる。1980年代、産業の中心が移動する。キューバ革命後にマイアミへ移住したキューバ系の共同体が、この都市を制作の拠点へ変えたのである。Emilio Estefanは、妻のGloria Estefanを擁して、キューバのリズムと英語圏のポップスを結合させた楽曲をプロデュースし、1985年の作品でアメリカの主流市場へ食い込んだ。以後マイアミはラテン音楽の産業的な中心地であり続けている。1990年代にはLuis Miguelが古典的な恋愛歌を洗練された形で復活させ、コロンビアのShakiraがロックの語法を持ち込んだ。テキサスではSelenaが、メキシコ系アメリカ人の音楽を若い層へ届けたが、1995年、ファンクラブの責任者に射殺されるという衝撃的な最期を迎えた。1999年、Ricky Martinがアメリカのグラミー賞の授賞式で、前年の曲の英語とスペイン語の版を演奏したことを機に、いわゆるラテンの爆発と呼ばれる現象が起こる。ただしこの時期の成功は、英語で歌うことによって達成されたものだった。状況が根本から変わったのは2010年代後半である。2017年、Luis Fonsiの楽曲は、原曲とJustin Bieberとのリミックスの合算で、世界中で最も再生された曲となった。ほぼスペイン語の曲としては、1996年のMacarena以来のアメリカのHot 100首位となったが、その首位は冒頭に英語の歌詞が加わったリミックス版で達成されたものだった。以後、Bad BunnyやRosalía、Karol Gといった作り手が、スペイン語のまま国際的な頂点に立っている。
代表曲
- Bailando (Enrique Iglesias)
- Hips Don't Lie (Shakira)
- Livin' la Vida Loca (Ricky Martin)
- Es Por Ti (Juanes)
- La Camisa Negra (Juanes)
- Inolvidable (Reik)
- Ni Una Sola Palabra (Paulina Rubio)
- Azúcar Amargo (Fey)
- Todos Me Miran (Gloria Trevi)
- Me Pregunto (Belanova)
- Corazón Partío (Alejandro Sanz)
- Lento (Julieta Venegas)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Pop、 Cumbia、 Bolero、 Mambo、 Salsa、 Bossa Nova、 Sertanejo
影響を与えたジャンル
Pop
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