Pop EDMとは
EDMの制作手法を、ラジオとストリーミングで機能するポップスの枠組みに合わせて作り直した様式。BPMは95〜128前後と幅があり、四つ打ちを保つ曲もあれば、ドロップだけを電子的に処理して他はポップスの拍取りにする曲もある。最大の特
EDMの制作手法を、ラジオとストリーミングで機能するポップスの枠組みに合わせて作り直した様式。BPMは95〜128前後と幅があり、四つ打ちを保つ曲もあれば、ドロップだけを電子的に処理して他はポップスの拍取りにする曲もある。最大の特徴は歌の扱いで、EDMが歌を装飾として使うのに対し、こちらは歌が主役であり、ヴァース・プリコーラス・サビという歌ものの組み立てが土台として先にある。ドロップはサビの後、あるいはサビそのものの代わりに置かれ、歌のフレーズを切り刻んで楽器化した「ボーカル・チョップ」が用いられることが多い。音色は鋸波の分厚いリードに加え、木管や口笛を模した明るい音、指を鳴らす音、手拍子といった軽い打楽器が好まれ、全体に湿度が低く風通しがよい。和音は四つの音を重ねた和音の単純なくり返しで、転調はほとんど行われない。歌詞は恋愛、夜遊び、自己肯定といった普遍的な主題を平易な語彙で扱い、サビの一行が題名になる作りが定型。曲尺は3〜4分程度に短縮され、イントロは10秒以内で歌に入る。ストリーミングの再生開始直後に聴き手を掴む必要があるという商業的要請が、曲の組み立てそのものを決めている点が最も特徴的である。
成り立ち
2000年代末から2010年代にかけて、ダンス音楽と北米のポップス産業が結びついた結果として生まれた。フランスのDavid Guetta は、2007年のPop Life(Love Is Gone)ですでに歌ものとの組み合わせを試みており、2009年のアルバムOne Love においてAkon、The Black Eyed Peas のwill.i.am、Kelly Rowland といった米国のポップ/ヒップホップの歌手を招き、主流市場に到達し、この流れを牽引した一人となった。とりわけKelly Rowland とのWhen Love Takes Over(2009年4月、英国1位、全米76位。Billboardが後年、米国でEDMの潮流が現れつつあることの指標と評した)、そしてThe Black Eyed Peas のI Gotta Feeling(2009年6月、GuettaとFrédéric Riestererが制作。全米で14週連続1位)は、ダンス音楽が米国のポップスに入り込んだことを示す例となった。続いて2010年代前半には、Rihanna の2011年のシングルWe Found Love(Calvin Harris参加)が全米で10週(非連続)1位を獲得し、Ariana Grande の2014年のシングルBreak Free(Zedd参加)が全米4位となるなど、ポップスの歌手とEDMの制作者の組み合わせが広がった。The Chainsmokers は2016年7月のCloser(95BPM、約4分)で、ドロップを歌の延長として控えめに扱う手法を示し、重心を歌側へ寄せた。産業構造としては、ラジオのフォーマットが「リズミック・コンテンポラリー」としてダンス寄りの曲を受け入れたこと、そしてSpotifyの米国での開始(2011年)や、2015年のApple Musicの開始以降、プレイリストが楽曲発見の主要経路になったことが大きい。プレイリスト上では冒頭30秒で離脱されない構成が有利になるため、イントロの短縮と早いサビ到達が制作の常識になった。批判としては、既存のポップ制作陣が量産する結果として楽曲が似通った曲ばかりになったこと、ダンス音楽側のクラブ的な機能性が失われたこと、そしてDJ名義の作品でありながら実際の制作を外部の作曲チームが担う不透明さが指摘された。2017年以降はラテン・ポップやヒップホップの台頭で主流の座を譲ったが、その制作手法はポップス全般の標準的な語彙として完全に吸収されている。
代表曲
- Faded (Alan Walker)
- This Is What You Came For (Calvin Harris feat. Rihanna)
- Something Just Like This (The Chainsmokers & Coldplay)
- Titanium (David Guetta ft. Sia)
- Hey Mama (David Guetta feat. Nicki Minaj, Bebe Rexha & Afrojack)
- Break Free (Ariana Grande feat. Zedd)
- Rather Be (Clean Bandit feat. Jess Glynne)
- Stay (Zedd & Alessia Cara)
- Paris (The Chainsmokers)
- Clarity (Zedd ft. Foxes)
- Heroes (We Could Be) (Alesso feat. Tove Lo)
- Roses (The Chainsmokers feat. ROZES)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Festival EDM、 EDM、 Future Bass
影響を与えたジャンル
EDM、 Future Bass、 Tropical House
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