Samba(サンバ)とは
ブラジルを代表する打楽器主体の音楽および踊りである。拍子は2/4で、一見単純だが、その内部の分割が極めて複雑である。最も重要な楽器はスルドと呼ばれる大型の低音太鼓で、2拍目に強い一打を落とす。この、1拍目ではなく2拍目に重心が置か
ブラジルを代表する打楽器主体の音楽および踊りである。拍子は2/4で、一見単純だが、その内部の分割が極めて複雑である。最も重要な楽器はスルドと呼ばれる大型の低音太鼓で、2拍目に強い一打を落とす。この、1拍目ではなく2拍目に重心が置かれる構造が、身体を後ろへ引いてから前へ送り出すような独特の推進力を生む。その上にタンボリンという小型の太鼓が細かく裏拍を刻み、パンデイロという鈴付きの片面太鼓が絶え間ない細分を担う。クイーカは太鼓の内側に取り付けた棒を濡らした布で擦る楽器で、動物の鳴き声のような音を出し、この音はサンバのカーニバルで特徴的な音色の一つになっている。加えてアゴゴという二連の鉄鐘、金属の棒で擦るレコレコが加わる。小型の4弦楽器カヴァキーニョとギターは和声・リズムの伴奏を担い、旋律は歌が中心である。歌は独唱と大人数の合唱の掛け合いが基本で、聴き手も一緒に歌うことが前提とされている。テンポは形態によって大きく異なり、行進のためのものは速く、酒場で演奏されるものは緩やかである。
成り立ち
バイーア系の音楽・信仰を背景に、20世紀初頭のリオで都市サンバとして形成された。19世紀後半(奴隷制廃止の1888年の前後)から、北東部バイーア州出身の黒人たちが首都リオへ移住し、港の周辺に集住した。この一帯は小さなアフリカと呼ばれ、そこではアフリカ由来の宗教儀礼と打楽器の音楽が守られていた。中心となったのは、共同体の母として慕われた女性たちの家であり、とりわけチア・シアタと呼ばれた人物の家では、音楽家が集まって夜通し演奏する集まりが開かれていた。1916年にDonga名義で登録、1917年に録音・発売され、「最初に録音された(登録された)サンバ」と通称される楽曲(先行録音があり、作者にも争いがある)は、この家で生まれたと伝えられる。ただしこの音楽は当初、当局から徹底的に弾圧された。打楽器を持ち歩くこと自体が浮浪罪の証拠とされ、演奏者は逮捕された。1920年代、エスタシオ地区の作り手たちが、行進しながら演奏できるようリズムを作り替え、現代的なサンバの型が完成する。1928年には最初のサンバ学校と呼ばれる組織が結成され、居住区ごとの集団が競い合う謝肉祭の行進が制度化されていった。1930年代、政治状況が音楽の運命を変える。権力を握ったGetúlio Vargasは、国民統合の象徴としてサンバを積極的に利用し、それまで犯罪視されていた音楽が一転して国家の文化となった。この過程で、内容は当局によって管理され、労働を賛美する歌詞が奨励されるという歪みも生じている。Noel Rosaは都市の日常を洗練された言葉で描き、Cartolaは丘の上の貧民街から詩的な楽曲を生み出したが、忘れられた時期があり、晩年になってようやく評価された。1984年には行進のための専用会場が建築家Oscar Niemeyerの設計で建てられ、謝肉祭は巨大な観光産業となる。この商業化に対しては、貧困層の文化が資本に取り込まれたという批判が根強い。一方で、Cacique de Ramosなどの裏庭や集まりでの輪になった演奏(ロダ・ヂ・サンバ)から生まれたパゴーヂが、1970年代末〜80年代に広まり、日常の音楽としてのサンバも生き続けている。
代表曲
- Preciso Me Encontrar (Áudio Oficial) (Cartola)
- O Trem das Onze (Adoniran Barbosa)
- Identidade (Jorge Aragao)
- Andanca (Beth Carvalho)
- A Carne (Elza Soares)
- Conversa de Botequim (Noel Rosa)
- Roda Viva (Chico Buarque)
- Casa de Bamba (Martinho da Vila)
- Aquele Abraco (Gilberto Gil)
- Aquarela do Brasil (Ary Barroso)
- Camarao que Dorme a Onda Leva (Zeca Pagodinho)
- Pelo Telefone (Donga)
- Verde Que Te Quero Rosa (Cartola)
- Portela na Avenida (Clara Nunes)
- O Sol Nascera (Cartola)
- Meu Ebano (Alcione)
- O Mundo E um Moinho (Cartola)
- Coisa de Pele (Beth Carvalho)
- Sonho Meu (Dona Ivone Lara e Beth Carvalho)
- Homenagem ao Malandro (Chico Buarque)
- A Voz do Morro (Ze Keti)
- Nao Deixe o Samba Morrer (Alcione)
- Foi um Rio Que Passou em Minha Vida (Paulinho da Viola)
- Malandro (Jorge Aragao)
- Tive Sim (Cartola)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Choro
影響を与えたジャンル
Bossa Nova、 Pagode、 Coladeira、 Choro
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