Baroque(バロック)とは
おおよそ1600年から1750年までの西洋芸術音楽。最大の構造的特徴は通奏低音で、チェンバロやオルガンなどの鍵盤楽器と、チェロやヴィオラ・ダ・ガンバなどの低音楽器が組になり、書かれた低音の音符とその下の数字を見ながら和音を即興的に
おおよそ1600年から1750年までの西洋芸術音楽。最大の構造的特徴は通奏低音で、チェンバロやオルガンなどの鍵盤楽器と、チェロやヴィオラ・ダ・ガンバなどの低音楽器が組になり、書かれた低音の音符とその下の数字を見ながら和音を即興的に補って伴奏する。この即興的な和声の充填が、あらゆる編成の土台をなす。和声の面では、それまでの旋法から長調と短調の二元的な調性へ移行し、和音がどこへ進むかが規則化された機能和声が確立した。リズムは規則的な拍節が明確で、一つの楽章で単一の情緒を保つ傾向が強かった(例外もある)。旋律は装飾音、すなわちトリルやモルデントなどを演奏者が加えることが前提とされ、楽譜は骨格の指示にすぎない。書法の中心は対位法で、複数の独立した旋律が同時に進行し、その最も発達した(複雑な)形がフーガである。フーガでは一つの主題が各声部に順次現れ、追いかけ合いながら展開する。形式としては協奏曲、組曲、オペラ、オラトリオ、カンタータが確立した。楽器は現代のものより弦の張力が低く、音量も小さく。音高の基準は地域や用途で幅があり、現代より低い場合も高い場合もあった(現代の古楽団体は415Hzを採ることが多い)。
成り立ち
始まりは1600年前後のイタリアである。フィレンツェで、貴族Giovanni de' Bardiの周囲に集まった知識人と音楽家の集団カメラータが、古代ギリシャ悲劇の再現を目指し、言葉が明瞭に伝わる単旋律と伴奏という形式を模索した。Bardiのカメラータは1570〜80年代にモノディ(独唱と通奏低音)の実験を行い、その流れの上で、Jacopo Corsiの周辺でPeriと詩人RinucciniがDafne(1597〜98年頃、楽譜は失われた)、続いてEuridice(1600年、現存する最古のオペラ)を作った。決定的なのはClaudio Monteverdiで、1607年のL'Orfeoで劇的な表現力を確立した。また1605年の序文で、旧来の対位法的な書法と新しい表現重視の書法を「二つの実践」として並立させる考えを予告し、のちに弟のGiulio Cesareがその意味を解説した。17世紀を通じて、この様式はイタリアからヨーロッパ全域へ広がる。ヴェネツィアではAntonio Vivaldiが、孤児の女子のための施設で教えながら、協奏曲の様式を定着させ、500曲を超える協奏曲を書いた。『四季』(1718〜23年頃作曲、1725年出版)は、標題音楽の最も早く詳細な例の一つである。フランスではルイ14世の宮廷でJean-Baptiste Lullyが独自の様式を築いたが、指揮に用いた杖で自らの足を突き、その傷が悪化して1687年に死去している。ドイツではJohann Sebastian Bachが、ライプツィヒの教会の音楽監督として、着任後の最初の数年間はほぼ毎週新作のカンタータを作曲しながら、対位法の可能性を極限まで追求した。ただし彼は生前、作曲家としてよりオルガン奏者として知られ、その作曲家としての評価は死後に下がり、愛好家たちによる収集や筆写、私的な演奏を通じて受け継がれた。同年生まれのGeorge Frideric Handelはイギリスに渡り、オペラ会社の経営難が続き、1737年に会社が破産した後、オラトリオへ転じ、1741年に約三週間でメサイアを書き上げた。Bachが没した1750年が、慣例的にこの時代の終わりとされる。19世紀に入り、1829年にFelix MendelssohnがBachのマタイ受難曲を蘇演したことが、その再評価の出発点となった。
代表曲
- Sarabande (Handel)
- Toccata and Fugue in D minor (Liene Andreta Kalnciema)
- Messiah: Hallelujah Chorus (Royal Choral Society)
- Air on the G String (J.S. Bach)
- Arrival of the Queen of Sheba (Handel)
- Brandenburg Concerto No. 3 (Voices of Music)
- Water Music (Handel)
- Zadok the Priest (The English Concert)
- Music for the Royal Fireworks (Handel)
- Winter (The Four Seasons) (Vivaldi)
- Trumpet Voluntary (Royal Philharmonic Orchestra)
- Spring (The Four Seasons) (Vivaldi)
- Dido's Lament (Academy of Ancient Music)
- Sheep May Safely Graze (J.S. Bach)
- Rejoice Greatly (Handel)
- Concerto for 2 Violins (Bach)
- Jesu, Joy of Man's Desiring (London Symphony Orchestra)
- Concerto in D for Guitar (Narciso Yepes)
- L'Orfeo: Toccata (Claudio Monteverdi)
- Harmonious Blacksmith (Handel)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Classical、 Renaissance Music
影響を与えたジャンル
Baroque Pop、 Chamber Music、 Christmas music
地図でBaroque(バロック)のルーツをたどるには、JavaScriptを有効にして 音楽ジャンルルーツ辞典 を開いてください。