Country Rock(カントリーロック)とは
ロックバンドの編成に、カントリーの楽器と歌の作法を持ち込んだ音楽である。中心にあるのはペダルスティールギターで、足のペダルと膝のレバーによって弦の張力を演奏中に変化させ、和音の内部の音だけを滑らかに動かすことができる。この、和音が
ロックバンドの編成に、カントリーの楽器と歌の作法を持ち込んだ音楽である。中心にあるのはペダルスティールギターで、足のペダルと膝のレバーによって弦の張力を演奏中に変化させ、和音の内部の音だけを滑らかに動かすことができる。この、和音が溶けるように変化する響きが、この分野を一瞬で識別させる音である。加えてドブロやバンジョー、フィドル、マンドリンが用いられ、エレクトリックギターは歪ませずに澄んだ音で弾かれることが多い。歌唱では複数の声を近い音程で重ねる密集した和声が重視され、主旋律のすぐ上に3度を、時にはさらに5度を寄り添わせる。この歌い方はアメリカ南部の教会音楽と兄弟デュオの伝統に由来する。リズムは4/4を基本に、2拍目と4拍目を軽く踏む素直な刻みで、テンポは90から130 BPM程度の中庸が中心である。和声は三和音を主体とし、ブルースのような濁りを避けて明るく開かれた響きを保つ。歌詞は放浪、故郷、恋愛、そして都市生活への疲れと田舎への憧れを扱う。ロックの音量とカントリーの穏やかさを両立させ、大きな会場でも角の立たない音を作る点に、この様式の設計思想がある。
成り立ち
1960年代後半のアメリカでは、ロックが政治的な急進性とサイケデリックな実験へ向かう一方、その反動として素朴な音楽への回帰を求める動きが生まれていた。Gram Parsonsはジャンル形成の中心人物だが、起源には諸説ある。Parsonsが1968年にInternational Submarine Bandで出した『Safe at Home』を最初の本格的カントリーロック盤とする見方や、Richard Goldsteinが、The Bandの『Music From Big Pink』を最初の主要なカントリーロック作と見た例がある。フロリダ出身で裕福だが崩壊した家庭に育ったGram Parsonsは、1968年にThe Byrdsへ加入すると、McGuinnがParsonsの主張に説得されて、本格的なカントリーの作品スウィートハート・オブ・ザ・ロデオ(ナッシュヴィルで1968年3月、ハリウッドで4〜5月に録音)を作った。同年、彼らは保守的なカントリーの牙城であるグランド・オール・オプリの舞台に立つが、長髪のロックバンドは客席から野次とブーイングで迎えられ、この試みが当時いかに挑戦的だったかを物語っている。同じ1968年、カナダとアメリカの混成であるThe Bandがミュージック・フロム・ビッグ・ピンクを発表し、翌1969年にはBob Dylanが『Nashville Skyline』を出した(ナッシュヴィルでの録音は1966年の『Blonde on Blonde』、1967年の『John Wesley Harding』が先)ことで、この方向は一気に正当性を得た。Gram Parsonsはその後Flying Burrito Brothersを結成し、さらにEmmylou Harrisという才能を見出して二重唱の様式を確立するが、1973年に薬物により26歳で死亡している。舞台はやがてロサンゼルスへ移った。ローレル・キャニオンと呼ばれる丘陵地帯に多くの音楽家が住み、相互に協力・交流する拠点になり、そこから生まれた人脈が、Poco、Linda Ronstadt、そして1971年に結成されたEagles(通称the Eagles)へとつながる。彼女の伴奏をしていた演奏者たちが独立して結成されたEaglesは、カントリーの和声とロックの推進力を極めて聴きやすい形にまとめ、1976年の編集盤は史上最も売れたアルバムのひとつとなった。しかしこの商業的な成功は、当初あった土着的な緊張感を失わせたという批判も生み、John Lydon(元Johnny Rotten)は2007年にEaglesを「無関係(irrelevant)」と切り捨てた。Nitty Gritty Dirt Bandは、1971年8月にナッシュヴィルで録音し1972年11月に発売した作品で、若いロック世代の演奏者とベテランのカントリー/ブルーグラスの奏者たちを一堂に集め、二つの世代の和解を象徴する記念碑を残した。この分野の遺産は、1990年代のオルタナティヴ・カントリーと、現在の主流のカントリーの双方に、異なる形で受け継がれている。
代表曲
- Bad Moon Rising (Creedence Clearwater Revival)
- Take It Easy (Eagles)
- Heart of Gold (Neil Young)
- Lyin' Eyes (Eagles)
- Up on Cripple Creek (The Band)
- Dead Flowers (The Rolling Stones)
- Peaceful Easy Feeling (Eagles)
- Mr. Bojangles (Nitty Gritty Dirt Band)
- Wild Horses (The Rolling Stones)
- Amie (Pure Prairie League)
- Already Gone (Eagles)
- Christine's Tune (Flying Burrito Brothers)
- Lodi (Creedence Clearwater Revival)
- Love Hurts (Gram Parsons and Emmylou Harris)
- Heartache Tonight (Eagles)
- Sin City (The Flying Burrito Brothers)
- Hickory Wind (The Byrds)
ルーツ(影響を受けたジャンル)
Country、 Rock、 Folk Rock、 Roots Rock
影響を与えたジャンル
Roots Rock
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